福島県で産出した恐竜化石がずらりと並ぶ(福島県立博物館① 大恐竜展から)
【ヒロノリュウの脛骨】
2026年も各地で夏休みを中心に、「恐竜展」が開かれた。なかなか見に行く機会が得られなかったが、福島県会津若松市にある福島県博物館で開かれた「大恐竜展」だけはどうにか見ることができた。狙いは展示されていると伝え聞いた福島県内産出の恐竜の化石たちだ。5月にいわき市や広野町、そして南相馬市を訪ねたときには、出会えなかった化石たちだ。
期待通りの展示が並んでいた。
会場に入ってすぐのところで展示されていたのが、「ヒロノリュウ(愛称)」だ。1986年にいわき市のお隣の広野町で見つかった。双葉層群足沢層から数多くの貝化石と共に発見された、とある。白亜紀後期のもので、ハドロサウルス形類とまでしか分からず、学名はついていない。脛骨と歯が展示されていたが、歯は展示されたもののどの部分が歯なのか、筆者には分からなかった。いずれにしろ、この化石だけでははヒロノリュウについて、さらに詳しいことは分からないだろうな、と予想できた。
「発掘風景」の写真や、発見を伝える「福島民友新聞」(1987年1月11日付け)などが近くに展示されていた。新聞記事は「日本初 恐竜の化石」との見出しがついていた。まだ、岩手県の「モシリュウ」の発見(1978年)は伝わっていなかったのだろうか。それに扱いが小さいのに驚いた。社会面だとは思うが、大きくはあっても、決してトップ記事ではない。当時の恐竜への関心というのはこんなものだったのだろうか。

【ヒロノリュウの歯】
少し先にいって、白亜紀の恐竜についての展示のコーナーに、他の福島産の恐竜化石がまとめて並んでいた。どれも実物ばかりだから、小さくても感慨深い。残念ながら、どれも学名がつくまでには解明に至っていない。

【フタバリュウの左脛骨】
まず、「フタバリュウ(愛称)」の左脛骨。ヒロノリュウと同じ1986年に広野町で産出した。ヒロノリュウと同じく、双葉層群足沢層から数多くの貝化石とともに見つかった。ただ、獣脚類としか分かっていない。
続いて、「ヒサノハマリュウ(愛称)」の歯が並んでいた。先の2つと同じく1986年に発見されたものだ。ごくごく小さなものだが2点展示されていた。いわき市の双葉層群玉山層上部から見つかった。近くからは昆虫を閉じ込めたコハクも見つかっているという。竜脚形類ティタノサウルス形類としか分かっていない。

【オオヒサリュウの第一胴椎】
さらに、「オオヒサリュウ(愛称)の第一胴椎が置かれていた。これは立派なものだ。1989年にいわき市の双葉層群足沢層から産出した。鳥脚類ハドロサウルス科とまでわかっている。ハドロサウルス科としては日本で最古級となるそうだ。

【鳥脚類の大腿骨】
この後、展示されていた恐竜には特に愛称はない。
いわき市の双葉層群玉山層で見つかった「鳥脚類の大腿骨」。これは1981年から82年にかけて行われたいわき市の調査で発掘されたが、ずっと「爬虫類の骨」とされていた。2022年になって恐竜の大腿骨であることが判明した。首長竜の「フタバサウルス」とはほぼ同時代に生息していた。
続きは、次章で。
(取材・2026年9月18日)
福島県立博物館メモ
〒965-0807
福島県会津若松市城東町1ー25
0242ー28-6000
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日に当たる場合は開館。翌火曜日を休館日とする。
祝日の翌日(祝日の翌日が土・日にあたる場合は開館)
館内整備休館日(2026年は6月23日、9月25日、12月22日)
年末年始 2026年度は2026年12月28日から2027年1月4日
午前9時半~午後5時(観覧チケットの販売は午後4時半まで)
常設展観覧料
一般・大学生 400円
高校生以下 無料
(ホームページによる)
大恐竜展
2026年7月11日~9月23日
一般大学生 平日1700円 土日2000円
高校生 平日1000円 土日1200円
小・中学生 平日500円 土日 600円
2026年10月10日~2027年2月23日 たんば恐竜博物館
2027年3月 ~6月 FUJIなごや科学館
に巡回の予定