恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

2005年発見・南相馬市の恐竜の足跡は研究中(福島県立博物館③ 大恐竜展から)

2005年発見・南相馬市の恐竜の足跡は研究中(福島県立博物館③ 大恐竜展から)

【南相馬産・獣脚類恐竜足跡化石】

 恐竜の足跡化石として、南相馬市博物館の章でも紹介したジュラ紀後期の足跡が展示されていた。1996年に福島県南相馬市鹿島区の栃窪層から産出された。泥岩上に3本の指のあとがくっきりと残っている足跡だ。南相馬市博物館では、「コエルロサウルス」類の足跡と表示されてあったが、ここでは控えめに「獣脚類」と表示されていた。
 「恐竜の足跡化石」と題した説明板によると、南相馬市ではその後、1997年に同じ地域周辺で複数の爬虫類の足跡が見つかり、2001年にはさらに生痕化石が見つかった。

 2005~2006年には離れた地点から、3つの足跡が残る歩行跡が発見された。「爬虫類の足跡」と考えられているとあった。
 その下には、「南相馬産・恐竜足跡化石」と表示された展示があった。
 図録では同じ化石が2005年に産出した「爬虫類足跡化石」と紹介されていた。
 どうも、ややこしい。「爬虫類」でとどまるのか、「恐竜」と断定されたのか、どちらなのだろう。まあ、そんな細かいことにはこだわるな、ということなのかな。
 いずれにしろ、この化石でも足跡がはっきりと分かる。
 「研究中」ということで「SNSへの投稿禁止」となっていたので、撮影はしたが、写真の掲載はりやめる。どんな研究結果が出るのだろう。楽しみと言うしかない。

【「クリンダドロメウス」の生体復元】

 近くには「クリンダドロメウス」の生体復元像が置かれていた。国立科学博物館の所蔵のものだそうだが初めて見た。ジュラ紀後期の鳥盤類とのことだが、あまり恐竜らしくはない。
 説明によると、「クリンダドロメウス」はロシアのザバイカリエ地方に露出するユクレイスカヤ層から発見され、2014年に新属新種の鳥盤類とされた。表皮が化石として残されており、ウロコ様の構造だけではなく、原始的な羽毛のような構造も残されていた。このことで恐竜類の表皮の構造は、鳥類や獣脚類に限らず、原始的な段階で複雑であり多様であることが示唆されたという。どうりで恐竜らしく見えないわけだ。


 ただ、問題はその足。きれいな三本指が見えている。化石として残された足跡はこうした生物のものだったのかもしれないな、と予想させるには十分な生体復元だった。

【キムリエラ】

 恐竜展ではあるが、この展覧会では多くの植物化石も展示されていた。おもに南相馬市の栃窪層のものだ。図録によると、ここ数十年は栃窪層から多くの植物化石が発見されており、ジュラ紀の植物化石の一大産地として国際的な評価を得ているそうだ。
 植物についても勉強したいと思う。が、展示されている化石だけでも膨大なものでなかなか追いつかない。


 印象に残ったのが「キムリエラ」。2022年に命名された新種の植物化石だ。ホロタイプ標本が展示されていた。
 「タイロフィルム」は南相馬市の栃窪層からは最も産出数の多い葉の化石だ。
 「ニルソニオクラドゥス・タイラエ」もホロタイプ標本が並んでいた。

【タイロフィルム】

【ニルソニオクラドゥス・タイラエ】

(取材・2026年9月18日)

福島県立博物館メモ

〒965-0807
福島県会津若松市城東町1ー25
0242ー28-6000

休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日に当たる場合は開館。翌火曜日を休館日とする。
祝日の翌日(祝日の翌日が土・日にあたる場合は開館)
館内整備休館日(2026年は6月23日、9月25日、12月22日)
年末年始 2026年度は2026年12月28日から2027年1月4日

午前9時半~午後5時(観覧チケットの販売は午後4時半まで)

常設展観覧料
一般・大学生           400円
高校生以下            無料

           (ホームページによる)

大恐竜展
 2026年7月11日~9月23日
 一般大学生 平日1700円 土日2000円
 高校生   平日1000円 土日1200円
 小・中学生 平日500円  土日 600円

2026年10月10日~2027年2月23日 たんば恐竜博物館
2027年3月   ~6月      FUJIなごや科学館

に巡回の予定