新種恐竜「ザヴァケファレ・リンポチュ」をたっぷり展示(福島県立博物館④ 大恐竜展から)
【「サヴァケファレ・リンポチュ」の頭骨】
福島県産出の恐竜化石の話をずっと書いてきたが、この「大恐竜展」の主な見所はやはり、白亜紀前期の新種恐竜「ザヴァケファレ・リンポチュ」だろう。丁寧に詳しく展示されていた。
なにしろ実物化石の全身骨格(ホロタイプ標本)から、2頭分の生体復元、2頭分の全身骨格、さわることのできる頭骨レプリカ、住んでいた世界を描いた絵画、とあるのだから十分だ。
生体復元でみると、それほど大きな恐竜ではない。足の細い中型犬ぐらいといえるだろうか。生体復元も全身骨格も、頭突きをするような姿勢で展示されている。
会場の展示説明によると、「ザヴァケファレ」が報告、命名されたのは2025年。モンゴル科学アカデミー、岡山理科大学、福島県立博物館などの国際研究チームが報告した。「頭突き恐竜(堅頭竜類)」の祖先にあたる重要な発見だった。
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【サヴァケファレ・リンポチュの全身骨格標本】
「発見の裏話」が会場で紹介されていた。図録ではより詳しく書かれていたが、北海道大学小林研究室の卒業生を中心とするチームは、2019年6月モンゴルのゴビ砂漠で念願のフィールドワークをした。白亜紀前期の地層が出ているフルンドホを調査した。
その初日、しかも作業を始めてすぐに、モンゴル出身のツォクトバートル・チンゾリグ博士が約20メートル離れたところに、白か灰色の岩のようなものを見つけた。近づいていくと、周囲の岩とか堆積物とは全く似ても似つかないものだと分かった。さらに近づくと、ドーム状の堅頭竜類の頭骨と判明した。斜面にしっかりとくっついていた。発見時、頭骨の約75%が地表に露出していたという。その後の発掘で多くの骨が見つかり、2020年から22年にかけてクリーニングが行われ、これまでで最も完全な堅頭竜類標本の一つとなったという。
この発見で、堅頭竜類の特徴である頭部ドームは、従来考えられていたより少なくとも1400万年以上早い白亜紀前期(約1億1000万年前)にはすでに成立していることが示された、という。

【サヴァケファレ・リンポチュの生体復元】
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【サヴァケファレ・リンポチュの全身骨格標本】
一緒に胃石も発見された。食性の手がかりが得られるかも知れないという。
「頭突き恐竜」の名はあるものの、本当に頭突きをしていたのかどうかは謎のままだ。図録の説明では、「ザヴァケファレ」の頭骨は「化石の保存状態としては最高クラス」のものだった。CTスキャナで内部を透視したところ、ドームの中身は骨がとても密に発達しており、飾りといえるものではなかった。さらにコンピューターを使って構造力学的な解析も進められている。ドームは衝撃に耐えうる構造を持ち、頭突き行動が可能であったことが示唆されている、という。
これまた、まだまだ研究が進んでいくのだろう。

【サヴァケファレ・リンポチュの頭骨レプリカ。触ることができる】
(取材・2026年9月18日)
福島県立博物館メモ
〒965-0807
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休館日
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館内整備休館日(2026年は6月23日、9月25日、12月22日)
年末年始 2026年度は2026年12月28日から2027年1月4日
午前9時半~午後5時(観覧チケットの販売は午後4時半まで)
常設展観覧料
一般・大学生 400円
高校生以下 無料
(ホームページによる)
大恐竜展
2026年7月11日~9月23日
一般大学生 平日1700円 土日2000円
高校生 平日1000円 土日1200円
小・中学生 平日500円 土日 600円
2026年10月10日~2027年2月23日 たんば恐竜博物館
2027年3月 ~6月 FUJIなごや科学館
に巡回の予定