恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

いろいろと話題が豊富。次は兵庫で。その後は名古屋でも開催の予定(福島県立博物館⑧ 大恐竜展から)

いろいろと話題が豊富。次は兵庫で。その後は名古屋でも開催の予定(福島県立博物館⑧ 大恐竜展から)

【「チレサウルス」産状骨格標本(レプリカ)】

 「大恐竜展」はまだまだ、取り上げたい話題がいっぱいある。

 「鳥類研究は恐竜研究」とのコーナーでは、「オドントプテリクス形類頭骨」(実物))が紹介されていた。
 福島県いわき市で産出した新生代斬新世の鳥類だ。前上顎骨が発見されている。歯のように見える構造は、歯ではなく骨でできており、偽歯と呼ばれるとあった。
 これはいわき市石炭・化石館で所蔵されている。同館を取材したときには、「骨質歯鳥類上顎吻部(くちばし)」と展示してあると紹介した。
 恐竜研究では、現生鳥類だけではなく、この鳥のような絶滅鳥類の研究も重要だと記されていた。

【「オドントプテリクス形類」頭骨(実物)】


 研究という点では、モンゴルで産出した竜脚類の骨が展示されていた。どこが珍しいかというと、ジュラ紀後期のものであるという点だ。モンゴルは恐竜研究をリードしてきた地域だが、よく知られている恐竜化石はほとんどが白亜紀のもので、ジュラ紀はまれ。福島県立博物館やモンゴル科学アカデミーなどの国際研究チームが、モンゴルのジュラ紀の恐竜たちについて調査をしているという。展示された化石(実物)も立派なものばかりだったが、「研究中」ということで、SNSへの投稿が禁止されていた。残念だが、ここでも掲載はしない。

【「チレサウルス」の全身骨格標本】

 これ以外にも、これまで見たことがない、あるいは見ていても気がつかなかった恐竜がいくつも展示されていた。
 ジュラ紀後期の「チレサウルス」の全身骨格(レプリカ)と産状骨格(同)が並んでいた。2015年にチリのトキ層から産出し、新種として命名された。獣脚類の植物食への進化の初期例として注目されたが、その系統的位置については議論があり、基盤的鳥盤類と唱える研究者もいる。恐竜進化と系統問題を考える上で貴重な存在だという。

【「アンズー」の全身骨格標本(レプリカ)】

 「アンズー」の全身骨格標本(レプリカ)も興味深かった。白亜紀後期の米国での産出で、獣脚類オヴィラプトロサウルス類としては、大型で全長3メートル以上にもなる。北米種としては最大種だ。

【「モシリュウ」上腕骨】

 最後に「モシリュウ上腕骨」(レプリカ)についても触れておこう。現在の日本で初めて発見された恐竜化石だが、所蔵している国立科学博物館では、少々隅に追いやられたような形で展示がされている。ここでは、レプリカであっても日本で初めて発見された恐竜として、それなりの展示がされていた。ただし、竜脚類という以上は分からないことはどうしようもない。


 大恐竜展は福島県立博物館ではすでに9月23日に終了している。22日の発表に寄れば、入場者は7万人を突破したという。大したものだ。今後は兵庫県の「たんば恐竜博物館」、名古屋市の「FUJIなごや科学館」へ巡回する予定だ。また、見に行きたい。
 あと図録(1800円)がとってもよかったことを記しておきたい。これだけ読んでも楽しめる、恐竜好きが作った素敵な本だった。

(取材・2026年9月18日)

福島県立博物館メモ

〒965-0807
福島県会津若松市城東町1ー25
0242ー28-6000

休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日に当たる場合は開館。翌火曜日を休館日とする。
祝日の翌日(祝日の翌日が土・日にあたる場合は開館)
館内整備休館日(2026年は6月23日、9月25日、12月22日)
年末年始 2026年度は2026年12月28日から2027年1月4日

午前9時半~午後5時(観覧チケットの販売は午後4時半まで)

常設展観覧料
一般・大学生           400円
高校生以下            無料

           (ホームページによる)

大恐竜展
 2026年7月11日~9月23日
 一般大学生 平日1700円 土日2000円
 高校生   平日1000円 土日1200円
 小・中学生 平日500円  土日 600円

2026年10月10日~2027年2月23日 たんば恐竜博物館
2027年3月   ~6月      FUJIなごや科学館
に巡回の予定