常設展はフタバスズキリュウとパレオパラドキシア梁川標本が中心 (福島県立博物館⑨)
【「フタバスズキリュウ」の全身骨格標本】
「大恐竜展」を離れ、歴史のコーナーをじっくりと見たあと、「自然」のコーナーに入った。小さな講堂ほどの大きさと言えばいいだろうか、そんなに広くはない会場の空中を、「フタバスズキリュウ」の全身骨格(レプリカ)が悠々と泳いでいた。大きい。本当に首が長い。「恐竜ではないが・・・」といちいちいらぬ講釈を入れることはやめよう。中生代白亜紀後期の海の王者の風格がある。国立科学博物館、いわき市石炭・化石館とこのフタバスズキリュウを見てきたが、ここが一番大きく、風格があるように見えた。まあ、同じものなのだが。
下にはフタバスズキリュウの頭骨が復元されていた。
説明は簡素だった。1968年にいわき市大久町の入間沢で発見された。首長竜の進化を解明する上で、世界的に貴重な標本です。などと説明がついていた。

【「フタバスズキリュウ」の頭骨復元模型】

【「プロトプテルム」の骨の化石】
相馬地域の古生代化石、栃窪層の植物化石などの展示のあと、福島県いわき市産出の「プロトプテルム」の骨の化石が3点展示されていた。新生代始新世後期の石城層で産出したものだ。いわき市石炭・化石館やいのちのたび博物館=北九州市立自然史・歴史博物館でも並んでいた。別名「ペンギンモドキ」とされ、ペンギンに似た体型だが、ペリカンの仲間だと書かれていた。
ところが、2026年9月19日放送のNHKの「ダーウィンが来た!」の「想定外!古生物学の大どんでん返し」の回では、系統解析をした結果「ペンギンと非常に近い親戚関係にあった」、さらに「CTスキャンで解析すると、脳の形がペンギンそっくりであることが分かった」と放送された。
調べてみると、2013年にすでに、岐阜県博物館が「ペンギンモドキ」が脳の形態からペンギンの仲間である可能性が高いと発表していた。
古生物学というのは、本当に面白いな、と思った。博物館も大変だろう。

【「パレオパラドキシア」梁川標本】
さて、その奥に展示されていたのが、すっかりおなじみとなった「パレオパラドキシア」だ。福島県北部にある伊達市上川原の広瀬川梁川層から産出した「梁川標本」と呼ばれるものの複製だ。
福島県立博物館では2000年に「海獣パレオパラドキシア 熱帯の福島に生きた謎の化石動物」という展覧会が開かれている。
その図録によれば、この標本は1982年7月に最初に発見されたが、川底にあったので発掘が難しかった。1984年7月は日照りが続き、川の水位が低下していたため、当時の梁川町教育委員会によって発掘が行われ、当時横浜国立大学の教授だった長谷川善和さんらが鑑定の結果、パレオパラドキシアと分かった。発掘された化石は、前足を除くほとんど全身の骨が揃っており、世界的に重要な標本とされた。1992年3月には福島県の天然記念物に指定された、とあった。
この図録は本当によくできた編集で、四半世紀経った今でも決しては古くはなっていない。その後も、瑞浪市化石博物館で書いたように、瑞浪市で新しい化石が発見されるなどしているが、研究そのものはそれほど進んでいないようにも感じたが、どうだろう。
ただ、全身骨格標本の組み立て方はずいぶん違ってきた。梁川標本では歩くように組み立てられているが、瑞浪市では泳ぐ形で組み立てられていた。現在では、一日のほとんどを浅い海の中で生活していた、と考えられているからだ。

【後ろから見た「パレオパラドキシア」梁川標本】
(取材・2026年9月18日)
福島県立博物館メモ
〒965-0807
福島県会津若松市城東町1ー25
0242ー28-6000
休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日に当たる場合は開館。翌火曜日を休館日とする。
祝日の翌日(祝日の翌日が土・日にあたる場合は開館)
館内整備休館日(2026年は6月23日、9月25日、12月22日)
年末年始 2026年度は2026年12月28日から2027年1月4日
午前9時半~午後5時(観覧チケットの販売は午後4時半まで)
常設展観覧料
一般・大学生 400円
高校生以下 無料
(ホームページによる)