スパイクや棍棒を持つ尾の恐竜たち(国立科学博物館その3)
【ステゴサウルスの全身骨格標本】
国立科学博物館は常設展だけでも、何度行っても面白い。とにかく展示物が広範囲にわたり、その数が極めて多いので、毎回新発見がある。
今回はまず、地球館地下1階の「地球環境の変動と生物の進化ー恐竜の謎を探るー」を訪ねた。ティラノサウルスやトリケラトプスの美しい標本が並ぶ楽しい展示場だ。ただし、裏側に特別展示室があるため、展示場自体はけっこう狭い。小学校の教室2個分ぐらい、とでもいえばいいだろうか。
その奥で、5歳ぐらいの子だろうか、「わぁ、ステゴサウルスだ」と歓声をあげた。うれしそうに「ステゴサウルス」とその前に置かれた「スコロサウルス」の全身骨格標本に見惚れている。
今の子は、幼いうちから本当に恐竜のことに詳しいのだな、と感心した。

【ステゴサウルスの尾のスパイク】
1955年生まれの筆者の5歳のころといえば、旧帝国海軍の軍艦名ばかりはしっかりと覚えていた。今でも覚えている。重巡洋艦は山の名前、軽巡洋艦は川の名前であった。先日も京都府北部を自動車で走っていて、由良川を通り、そういえば軽巡「由良」という艦船があったな、と思い出した。あまり、活躍の場はなく、太平洋戦争で失われた日本軍最初の軽巡だった。
現代なら「ミリオタ」と間違えられかねないが、当時は少年漫画雑誌にも零戦や紫電改の漫画が掲載される時代だった。子どもたちの話題に、旧軍の戦闘機や軍艦の話が出てきて不思議はなかった
子どもが恐竜の名前をしっかりと覚える時代。なんのかんのといっても平和ないい時代なのだろう。

【スコロサウルスの全身骨格標本】
閑話休題。
「ステゴサウルス」の全身骨格標本は、米国ワイオミング州産出でジュラ紀後期のもの。展示されている標本はまだ、子どもなのだそうで、成長すると全長約7メートルに達したと説明板にあった。首から尾にかけては板状の骨が帆のように並んでいる。尾の先には尖った「スパイク」がついていた。展示されているものでもけっこう大きく見えるが、成体の「スパイク」では長さ1・2メートルになるものが発見されているという。「アロサウルス類のような肉食恐竜には脅威だったであろう」と説明が加えられていた。
「スコロサウルス」は米国・モンタナ州産出。白亜紀後期のもの。説明板によると、鎧のように連なった板状の骨が体は覆われていた。尾が棍棒状に発達したものもおり、骨質の腱で補強された脊椎によって、力強く棍棒を振り回すことができたと考えられている。ここでも、「ティラノサウルス類などの大型肉食恐竜には脅威だったろう」と説明が加えられていた。展示されている棍棒はカナダで発見された成体のものを型取り鋳造したものだとあった。

【スコロサウルスの尾の棍棒】
恐竜の展示で人気なのが、竜脚形類。ここでは、米国・ワイオミング州産出の「アパトサウルス」が展示されている。「竜脚形類」の大型化との説明では、展示されたアパトサウルスの体重は約20トンと推定されるとあった。
この展示、とにかく写真を撮るのが難しい。上下2枚に分けて掲載することにした。

【「アパトサウルス」の頭と首】

【「アパトサウルス」の胴体】
(取材・2026年10月10日)
国立科学博物館メモ
〒110-8718 東京都台東区上野公園7ー20
ハローダイヤル 050-5541-8600
休館日
毎週月曜日(日・月曜日が祝日・休日の場合は火曜日)1212月28日から1月1日
くん蒸期間(6月下旬ごろ)
午前9時から午後5時まで(入場は午後4時半まで)
常設展入館料
一般・大学生630円
小・中・高校生
並びに18歳未満と
65歳以上
障害のある方とその付き添いの方1名は無料
(館内ガイドによる)