恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

九州では白亜紀の各時代の竜脚類の化石を産出(福井県立恐竜博物館・竜脚類展④)

九州では白亜紀の各時代の竜脚類の化石を産出(福井県立恐竜博物館・竜脚類展④)

【北九州市産出の竜脚類の頸椎】

 九州では、福岡県北九州市から白亜紀前期の、熊本県天草市から白亜紀の後期と中頃の、鹿児島県薩摩川内市からは白亜紀後期の、竜脚類の化石がそれぞれ産出している。


 北九州市の関門層群からは頸椎の一部が産出している。実物が展示されているが、ちょっと頸椎とは分かりにくい。側面の孔や内部の大小さまざまな空洞があり、それがティタノサウルス形類の特徴だという。白亜紀前期の初期に九州で大型の竜脚類がいた証拠だ。

【熊本県天草市産出の竜脚類の歯】

 熊本県熊本市天草市からは、数多くの恐竜の化石が産出しているが、白亜紀の地層が大きく分けて2層ある。約1億年前に堆積し始めた御所浦層群と、約8500万年前からそれ以降に堆積した姫浦層群だ。
 この展覧会では、天草下島の姫浦層群から産出した竜脚類の歯と、御所浦層群で見つかった竜脚類の肋骨が展示されていた。
 歯の方は、国内における竜脚類化石のうち最も新しい記録だという。ティタノサウルス類に分類できる可能性があると図録では示されていた。
 肋骨は実物が展示されていたが、これまた肋骨とはちょっと見えないものだ。欠損部分を復元したものも展示されていた。長さは約1・4メートルで、同時代の中国東部産出の竜脚類である「エウヘロプス」の骨格を参考にすると、この恐竜の体長は約14メートルと見積もられるという。

【熊本県天草市産出の竜脚類の肋骨の実物】

【熊本県天草市産出の竜脚類の肋骨を復元したもの】

 鹿児島県薩摩川内市の甑島列島には白亜紀後期の姫浦層群が分布している。同所にある「甑島ミュージアム」のウェブには、2008年に獣脚類恐竜の歯と肋骨が見つかって以来、さまざまな恐竜化石が相次いで見つかっている、と記されている。
 この展覧会で展示されているのは、下甑島で産出した竜脚類の歯の化石と、上甑島で産出した竜脚類の肋骨ではないかと思われる化石だ。ティタノサウルス形類の可能性が高い、と考えられている。「肋骨?」と表示された化石は、長さ50センチほどあり、けっこう大きなものだ。現在、詳しい研究が進められている、と図録では書かれていた。

【鹿児島県薩摩川内市産出の竜脚類の歯と「肋骨?」】


 甑島ミュージアムは2026年9月30日付けで、改正博物館法に基づく「登録博物館」になった。資料を集めて展示するだけではなく、調査研究や教育活動を継続的に行う博物館として認められた、ということだ。展覧会で化石を見たとはいえ、ぜひ、現地に行ってみたいと思っている。ただ、とにかく遠いのと離島であるので、なかなか機会に恵まれていない。

(取材:2026年10月19日)

福井県立恐竜博物館メモ

〒911-8601 福井県勝山市村岡町寺尾51−11
電話 0779ー88ー0001
休館日 第2・第4水曜日および12月31日から1月1日
午前9時から午後5時まで(入場は午後4時半まで)
観覧料(事前購入が原則)
一般1000円
高・大学生800円
小・中学生500円
70歳以上500円
           (利用のご案内による)

「竜脚類」展
 2026年7月10日〜11月3日
一般 1800円
高校・大学生 1600円
小・中学生 1000円
70歳以上 1000円