「フクイティタン」は小さめだけれど、立派な成体と判明(福井県立恐竜博物館・竜脚類展⑤)
【「フクイティタン」の生体復元ロボット】
「竜脚類展」のほぼ最後を飾るのが、福井県の宝「フクイティタン」。生体復元ロボットが、ゆっくりと動いていた。
説明板によると、福井県勝山市北谷の恐竜化石発掘現場では、1980年代から竜脚類の歯の化石が発見されていた。2007年には初めて、竜脚類の化石が発見され、翌年までに1個体のものと考えられる手足の骨や背骨を採集することができた。これらの成果をもとに2010年に日本初の新種の竜脚類として、「フクイティタン・ニッポネンシス」という学名が付けられた。その後も研究が続けられており、現在はCTを使った調査が行われているという。

【「フクイティタン」の脛骨の薄片】
「フクイティタン」の全長は、四肢骨の長さから約10メートルと推定されている。白亜紀前期の「ティタノサウルス形類」としては、比較的小さい方だ。「幼体」だから小さいのか、「成体」だけれども小さいのが、長年、疑問に思われてきた。
そのため、骨を薄く切って内部構造を観察した、という。脛骨(すねの骨)の薄片を作成し、それを観察したところ、同心円状の構造が非常に発達していることがわかり、成体であることが判明したという。

【「フクイティタン」の大腿骨、橈骨、上腕骨】
さて、動く生体復元ロボットはなかなかかわいい存在だ。こんなに愛嬌がよくていいのだろうか、という顔をしている。
説明板によると、このロボットは、いったん完成したあと、さまざまな改修が行われている。
もともとは「カマラサウルス」をベースに製作されたが、「フクイティタン」は「カマラサウルス」より進化的な「ティタノサウルス形類」なので、その近縁種や北谷層産の化石にもとづいて改修している。
まず、頭。「フクイティタン」の頭骨化石はまだ見つかっていないが、系統的に近縁で古地理的にも時代的にも近い「エウヘロプス」を参考に、歯をやや前向きに傾けた修復がされている。「エウヘロプス」はほぼ完全な頭骨化石が見つかっている。
「フクイティタン」の前足に指や爪があったかどうかは分かっていないが、産出地と同じ現場から見つかっている竜脚類の足跡化石には爪の痕跡が見られない。そのためロボットの前足にも爪を付けない姿で復元されている。
また、「フクイティタン」は「カマラサウルス」よりも、大腿骨が長いので、膝の位置を下げてバランスを修正している。
恐竜ロボットは「かわいいだけじゃだめなんだ」ということがよく分かった。
(取材:2026年10月19日)
福井県立恐竜博物館メモ
〒911-8601 福井県勝山市村岡町寺尾51−11
電話 0779ー88ー0001
休館日 第2・第4水曜日および12月31日から1月1日
午前9時から午後5時まで(入場は午後4時半まで)
観覧料(事前購入が原則)
一般1000円
高・大学生800円
小・中学生500円
70歳以上500円
(利用のご案内による)
「竜脚類」展
2026年7月10日〜11月3日
一般 1800円
高校・大学生 1600円
小・中学生 1000円
70歳以上 1000円