恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

故河合雅雄さんの名がついた哺乳類を展示(丹波篠山市立太古の生きもの館①)

故河合雅雄さんの名がついた哺乳類を展示(丹波篠山市立太古の生きもの館①)

【ヒプノヴェナトルの復元模型】

 丹波篠山市立太古の生きもの館は、たんば恐竜博物館から舞鶴若狭自動車道丹南篠山口インター方面へ自動車で走って約20分の、兵庫県立丹波並木道中央公園内にある。丹波竜の里公園と合わせて3カ所を1日で見ることは十分に可能だ。
 太古の生きもの市民研究所が併設されており、体験的学習施設という位置づけのようだ。入って正面には化石のクリーニング施設が見える。

 展示室は小学校の教室の半分ほどの広さだ。展示の内容は一部、古さを感じさせるものもあったが、兵庫県立人と自然の博物館も含めてこれまでは、見ることのできなかった恐竜の復元模型がここでは展示されていた。
 一つが角竜類の「ササヤマグノームス・サエグサイ」。角竜類だ。約80センチと推定されているが、ここの復元模型には縮尺は記されていなかった。ただ、その姿だけは十分に理解できる。
 もうひとつが「ヒプノヴェナトル・マツバラエトオオエオルム」。この公園内で発見されたトロオドン類だ。体長は約1・1メートルだが、これまた縮尺は記されていなかった。

【ササヤマグノームス・サエグサイの復元標本】

【パキゲニス・アダチイの復元標本】

 トカゲ類としてはやはり、2007年にこの地から発見された「パキゲニス・アダチイ」の復元標本が並べられていた。2015年に論文発表され、新種として学名がつけられた。種小名の「アダチイ」は、この地で数々の化石を発見した足立洌(きよし)さんに敬意を表しての命名だ。足立さんは「タンバティタニス」の発見者の一人でもある。

【ササヤマミロス・カワイイの復元標本】

 貴重に思えたのが、「ササヤマミロス・カワイイ」の復元模型。2007年にやはりこの地で発見され、2013年に哺乳類の新属新種として命名・発表された。体長は約10~13センチ。ネズミに似たように見えるがネズミとは全く違う生きものだそうだ。白亜紀前期の地層からの産出で、日本最古の真獣類の化石だという。

 種小名に「カワイイ」とあるが、丹波篠山市出身で霊長類学者・文筆家でもあった故河合雅雄さん(1924年~2021年)にちなんで名付けられたという。河合さんは京都大学霊長類研究所長などを経て、兵庫県立人と自然の博物館の名誉館長もなさっていた。数々の著書も読ませていただいているし、何よりも霊長研時代には直接、お話を聞かせていただいたことがある。そんな人の名前が付いていると思うと、より大事なものに思えてくる。写真がピンボケになってしまったのが返す返すも残念だ
 古生物は本当に、恐竜以外にも貴重な化石がたくさんあるものだと思う。

【丹波篠山市立太古の生きもの館】

 展示室にはこのほか、さまざまな恐竜の小さな化石が展示されていた。

 なお、この建物付近も丹波篠山市脊椎動物化石保護条例に基づく「重点保護区域」になっており、化石や土砂を採取する場合は市の許可が必要だ。

【館内の様子】

【館内の様子】

【太古の生きもの館の入り口】

(取材:2026年4月9日)

 丹波篠山市立太古の生きもの館・太古の生きもの市民研究所

兵庫県丹波篠山市西古佐90-1 兵庫県立丹波並木道中央公園内
電話 079ー556ー7666
休館日 
月曜日(祝日の場合は翌平日)
年末年始
午前9時から午後4時半まで
     (丹波地域恐竜化石フィールドミュージアム 案内による)