恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

ちょっと怖いぞ、「メガロドン」の歯(埼玉県立自然の博物館②)

ちょっと怖いぞ、「メガロドン」の歯(埼玉県立自然の博物館②)

【日本地質学発祥の地の碑】

 埼玉県立自然の博物館の前には、もう一つ重要なものがある。「日本地質学発祥の地」の碑だ。1993年に日本地質学会発足100周年などを記念して建立された。
 この博物館のある長瀞は、有名な景勝地だが、地質研究の地でもあった。1878年に、東京帝国大学の初代地質学教室教授のナウマン博士が訪れて以来、多くの研究者がこの地を訪れている。1916年には宮澤賢治も岩石や地質を見学するためにやってきたという。

【「メガロドン」の復元模型】

 もう一度博物館内に入ろう。天井から大きなサメの模型が展示されていた。「カルカロドン メガロドン」と表記されていたが、現在では、この表記はどうなのだろう。属名はともかく、「メガロドン」には変わりないので、「メガロドン」と書く。
 館内にある説明によると、約2300万年前から約400万年前に世界の暖かい海に生息した巨大なサメだ。埼玉県では、深谷市菅沼の荒川河床にある約1100万年前の地層から、1986年に歯の化石73本がまとまって発見された。その歯の化石をもとに、現生種のホホジロザメを参考に復元した巨大なアゴと、化石の前歯から推定した体長12メートルの巨大な生体の復元模型だ。復元模型は2階に上がって見た方が、じっくりと見ることができる。

【「メガロドン」の顎の復元模型】

【メガロドンの歯73本】

 怖ろしかったのはむしろ、こうした模型より実物の歯だった。とにかく大きい。前歯から奥歯まで揃っているが、大人の女性の拳ぐらいはある歯が並んでいた。どれも鋭く尖っていて、かじられたらいかにも痛そうだった。
 「メガロドン」については、同一個体のものと思われるうろこ化石も残っていた。大きさは1ミリ未満と、体と比べてとても小さい。このうろこ化石を用いた研究で、「メガロドン」の泳ぐ速度は時速2キロ前後(0・9~3キロの範囲)と推定された。普段は比較的ゆっくりと遊泳していたと考えられるという。

【ガリミムス・ブラツスの全身骨格】

 展示室の奥では、意外なものに出会った。「ガリミムス・ブラツス」の全身骨格だ。モンゴルの白亜紀後期から産出したものだ。現在の群馬県神流町で1981年に発見された「サンチュウリュウ」(愛称)が、当初、「ガリミムス」もしくはその仲間ではないかと考えられたことの縁なのだろうか。立派な全身骨格だ。「サンチュウリュウ」が出土した「山中地溝帯」は秩父盆地の西の端から、長野県佐久穂町にまで細長く分布している。主に白亜紀前期の化石が見つかっており、秩父でも恐竜の化石がでる可能性はあるはずだ。
 恐竜の話が久しぶりに出てきた、我ながらほっとした。

【アケボノゾウの全身骨格とアケボノゾウの足跡の化石】

 その手前には、埼玉県狭山市から出土した「アケボノゾウ」の全身骨格と、埼玉県入間市野田から見つかった「アケボノゾウ」の足跡化石(模型)が並べて展示されていた。同じ展示するにしても、このような形で展示しているのは、楽しいと感じた。

(取材:2026年4月29日)

埼玉県立自然の博物館

〒369-1305 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1417-1
電話 0494ー66ー0404
休館日 
月曜日(祝日、振替休日、ゴールデンウィーク、11月14日、7月・8月の月曜日は開館)
年末年始(12月29日から翌年1月3日)
午前9時から午後4時半まで(入館は午後4時まで)
7月・8月は午後5時まで(入館は午後4時半まで)

入館料
一般        200円
高校生・大学生   100円
中学生以下無料。

              (博物館入館のしおりによる)