大きな日本産アンモナイト化石がずらりと並ぶ(国立科学博物館④)
【早稲田大学の学生が北海道夕張地区で発見した巨大なアンモナイト】
国立科学博物館の日本館3階北翼の「日本列島の生い立ち」は、いくら見ても飽きない、面白い展示だ。
当たり前のことなのだが、どの化石を見ても、みな日本産であることに驚かされる。こんなに日本からは、いろいろな化石が産出されているのかと改めて思う。これだけの化石を所蔵することは、新しくできた博物館では、どんなにお金を積んでもできないことだろう。
アンモナイトの化石は、それこそどこの博物館にも展示されているものだ。だが、この部屋のアンモナイトはずいぶん違う。日本産の大きくて立派な化石がごろごろしている。

【北海道羽幌町産のパキデスモセラス(川下由太郎コレクション)】
展示説明を読んで面白いのが、「川下由太郎(かわした・よしたろう)コレクション」。川下由太郎さん(1939年~2000年)が30年以上にわたって採集した北海道産アンモナイト化石を中心としたコレクションだ。模式標本を初め、学問上きわめて重要な標本も多く含まれているとあった。
北海道羽幌(はぼろ)町産の大きな「パキデスモセラス」には長文の説明「虹色の最大級アンモナイト」が添えられていた。1984年のことだ。250キロを超す重いアンモナイトを、いかにして仲間たちと運び出したかが克明に綴られていて面白い。

【北海道遠別町産のユウパキディスカス(川下由太郎コレクション)】
北海道遠別町産の二つの「ユウパキディスカス」がつながった標本には、「遠別川の大物」と題した説明が添えられていた。1983年のことだ。重さ60キロはある化石をリュックに入れ、何度も転びながら運んだことが描かれている。
そんな思い出が添えられたアンモナイトはどれほど見ても飽きない。
その前に置かれていたのは、1994年に北海道夕張地区で、早稲田大学の学生が発見した巨大アンモナイトだ。学生9人の手で掘り出されたという。

【「アンモナイトの海」と題した展示】
壁には、北海道の中央部を貫く白亜紀の地層・蝦夷層群から産出したアンモナイトなどがずらりと並べられていた。説明板によると、これまでに500種以上のアンモナイトが見つかっているそうだ。

【北海道三笠市産のイノセラムス(二枚貝類)=川下由太郎コレクション】
北海道三笠市から見つかったイノセラムス(二枚貝類)の大きな化石もあった。白亜紀後期のものだそうだ、川下コレクションのひとつでもあった。
全体的に見て、「恐竜」を偏愛していないのが、すごいと思う。どうしても中生代の展示になると、恐竜が中心になる博物館が多いというのに。
恐竜は地球館の方で、見て欲しいという考えなのだろうか。現在では日本からも数多くの恐竜が産出しているが、筆者が気がついたのは岩手県の「モシリュウ」と岐阜県の「イグアノドン類」の展示だけだった。それもよしか。
(取材・2026年5月2日)
国立科学博物館メモ
〒110-8718 東京都台東区上野公園7ー20
ハローダイヤル 050-5541-8600
休館日
毎週月曜日(日・月曜日が祝日・休日の場合は火曜日)12月28日から1月1日
くん蒸期間(6月下旬ごろ)
午前9時から午後5時まで(入場は午後4時半まで)
常設展入館料
一般・大学生630円
小・中・高校生
並びに18歳未満と
65歳以上
障害のある方とその付き添いの方1名は無料
(館内ガイドによる)