恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

伸び伸びとしたフタバサウルスのブロンズ像(いわき市石炭・化石館①)

伸び伸びとしたフタバサウルスのブロンズ像(いわき市石炭・化石館①)

【フタバサウルスのブロンズ像】

 いわき市石炭・化石館の入り口前では、「フタバサウルス・スズキイ」が空の下、伸び伸びと泳いでいた。約8500万年前の白亜紀後期の海を泳ぐ姿を、約6・5メートルと「原寸大」で復元したブロンズ像だ。復元像を見るのは初めてだが、思っていた以上に首が長い。開館10周年を記念して作製された、と説明板にあるから1994年頃に作られたものだろうか。


 フタバサウルスは1968年にいわき市大久町で発見されたが、新しい種類の首長竜として学名が付いたのは2006年のことだ。ということはまだ、学名が付く前に作られたのだろうか。まあ、ブロンズ像の方は、「そんなことは、私には関係ありません」とばかりに、悠々と泳いでいた。

【フタバサウルスの全身骨格標本】

 入館する。まず、展示されていたのが「フタバサウルス」の全身骨格標本だ。国立科学博物館では部屋の大きさの関係だろうか、首を曲げて展示されていたが、ここでは普通にまっすぐ伸びているから、同じもののはずだが少し大きくなったように感じる。その下には産状骨格模型が展示されていた。これも国立科学博物館と同じもののようだ。

【フタバスズキリュウの産状骨格標本】

 化石展示室に入る前のエントランスにも、「イワキクジラ」の産状骨格などが飾られていた。その前には、「フタバサウルス」も属している「エラスモサウルス類」の脊椎骨と、「モササウルス類」の下顎骨と歯がさりげなく展示されていた。いやはや、いわき市というところは思った以上に、いろいろな化石が産出されているようだ。

【エラスモサウルス類の脊椎骨】

【モササウルス類の下顎骨と歯】

【長倉炭砿の塊炭】

 次に置かれていたのが、いわき市にあった「長倉炭砿」(この字を使っていたのでそのまま転記する)で産出された「塊炭」(かいたん=塊状のせきたん)の展示だ。重量は約1トンあるという。だてに石炭・化石館」を名乗っているわけじゃない。いろいろな化石に負けないように石炭についても、このあと詳しい展示がなされていた。

【エレモテリウム(オオナマケモノ)】

 展示室に入るといきなり展示されていたのが、「エレモテリウム」だ。新生代第四紀に南北アメリカに生息していた。南米だけにいたという「メガテリウム」とともに、「オオナマケモノ」と説明されている。「メガテリウム」は徳島県立博物館で見てきたが、個体差もあるのだろうが「エレモテリウム」の方が大きく感じた。最大で体長6メートルにも達するとあるが、その全身骨格標本は確かに尻尾のない恐竜と間違えてしまいそうだった。

【スミロドン】


 隣に展示されていたのが、「スミロドン」。これまたアメリカの第四紀にいて、現在は絶滅した生物。牙状の長大な上顎の犬歯を持つ。「サーベルタイガー」の一種だ。
 そこで後ろを振り返ると、そこは中国の四川省で産出したジュラ紀の「マメンチサウルス」を初めとしたさまざまな恐竜や首長竜、クジラ、モササウルス類が並ぶにぎやかたな空間だった。なんか、支離滅裂な展示であるような気もするが、なかなか楽しそうだ。

(取材・2026年5月8日)

いわき市石炭・化石館

〒972-8321 福島県いわき市常磐湯本町向田3番地の1
0246-42-3155

休館日
毎月第3火曜日
(当日が国民の祝日の時は翌日)
1月1日
午前9時から午後5時まで(入場は午後4時半まで)

入場料
一般       660円 
中・高・大生   440円
小学生      330円

           (館案内による)