恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

プリオサウルスなど首長竜を展示(いわき市石炭・化石館②)

プリオサウルスなど首長竜を展示(いわき市石炭・化石館②)

【首の短い首長竜「プリオサウルス」】

 いわき市石炭・化石館の化石展示室には、さまざまな種類の動物の化石が展示されているが、その中でもひときわ異彩を放っているのが、首長竜の一種「プリオサウルス」の全身骨格標本だ。大きな口を開けて、尖った歯を見せている。なんだか凶悪な印象だ。
 ジュラ紀のもので、ロシアで産出した。「この化石は実物化石です」とわざわざ説明しているのが微笑ましい。全体の80%が実物の化石で組み立てられているというから確かに、貴重な標本だ。
 石炭・化石館では、首長竜のことをずいぶん勉強させてもらった。首長竜といえば、これまでは「フタバサウルス・スズキイ」のことしか知らなかった。しかし、「フタバサウルス」のような文字通り首の長い種類と、この「プリオサウルス」のように首が短く頭が大きいタイプがいたのだそうだ。

【イワキリュウの化石】

 いわき市では「フタバサウルス」だけではなく、首の短いタイプの首長竜である「イワキリュウ」も産出されている、とあった。
 「イワキリュウ」については、いわき市から産出された化石の複製が展示されていた。「フタバサウルス」が発見された地層より、やや古い地層から発見された、とある。1982年にいわき市大久町で発見されたようだ。しかし、それ以上の詳しい説明は見当たらなかった。

 「イワキリュウ」は「トリナクロメルム」の仲間だとあったが、「トリナクロメルム」自体がよく分からない。天井から吊り下げられている全身骨格標本群を見ていたら、ようやく見つけることができた。確かに首が短く、全長もそれほど長くはない。白亜紀後期のもので、アメリカが産出地だ。ウェブを探したところ、ウィキペディアに全長3メートル、小型の魚類を捕食していたらしい、とあるぐらいだった。
 説明不足な気はするが、首長竜に関する展示はまだまだ続く。

【トリナクロメルム】

【プレシオサウルス】

【プレシオサウルスの産状骨格模型】

 ジュラ紀の首長竜「プレシオサウルス」に関しては、天井から全身骨格が吊り下げられ、産出状態を復元した模型も展示されていた。イギリスが産出地だ。「フタバサウルス」などの祖先にあたる、とある。「フタバサウルス」よりは二回りほど小さく感じた。

【タラソメドン】

 白亜紀後期の「タラソメドン(Thalassomedon)」の全身骨格標本も天井から吊り下げられていた。アメリカ産のこの標本も大きくて長い。ホロタイプの全長は10・86メートルだそうだが、この標本も決しては負けてはいないはずだ。

【クリプトクレイダス】

【クリダスデス】

 首長竜類の間には、モササウルス類の「クリダスデス」の全身骨格標本が吊り下げられていた。白亜紀後期、アメリカの産出だった。
 よくぞこれだけ集めたものだと思うが、筆者のような素人には全体的にもう少し、解説が欲しかった。
 ウィキペディアを筆頭に、恐竜に関してはあふれるほどの情報が世の中には流れているが、首長竜に関しては全くそうではないようだ。まあ、それだけに「フタバサウルス」の価値も、より増すような気がした。

【モササウルス類の頭骨】

  (取材・2026年5月8日)

いわき市石炭・化石館

〒972-8321 福島県いわき市常磐湯本町向田3番地の1
0246-42-3155

休館日
毎月第3火曜日
(当日が国民の祝日の時は翌日)
1月1日
午前9時から午後5時まで(入場は午後4時半まで)

入場料
一般       660円 
中・高・大生   440円
小学生      330円

           (館案内による)