恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

すぐ近くにある「フタバサウルス」の産出地(いわき市アンモナイトセンター②)

すぐ近くにある「フタバサウルス」の産出地(いわき市アンモナイトセンター②)

【フタバサウルスの産出地】

 いわき市アンモナイトセンターから、「フタバサウルス(フタバスズキリュウ)」の産出地、いわき市大久町大久までは自動車で5分もかからない。


 2024年3月末まで近くに「いわき市海竜の里センター」という娯楽施設があり、そこへの表示板がまだ出ていたので、それに向かって進むと、大久川の川沿いに、「フタバスズキリュウ産出地」の看板が出ていた。少し先に行くと空地があったので、そこに車を止めて200メートルほど歩いて現地に行った。

【遠くから見た「フタバサウルス」の産出地】


 現場にあった説明板によると、1968年10月、当時県立平工業高校2年生だった鈴木直氏が化石を発見した。同年に国立科学博物館により第1次発掘調査が行われ、脊椎骨、骨盤、肋骨、後肢骨などが採集された。1970年10月からは第2治発掘調査が行われ、残る脊椎骨、左右前肢骨、胸骨、尾骨などが採集された。約8500万年前の双葉層群玉山層から発見されたもので、北太平洋沿岸地域で発見された首長竜類では最古にして、唯一のほぼ完全な全身骨格と記されていた。

 発掘時はけっこうな騒ぎだったのだろうが、今では静かな地域だ。この周辺こそ護岸工事がされているが、少し下流に行けば自然堤防のままだ。下流では2級河川になるようだが、この日は水の流れる幅は数メートルもないぐらいの細い川だった。

 日本中のどこにでもあるようなこんな風景の中で、化石を発見したという鈴木さんという人は本当にすごいな、と感じた。さぞかし、事前に地層などについての勉強をしていたのだろう。

【首長竜の一種の歯】

 まあ、当たり前なのだろうが、アンモナイトセンターでは首長竜の骨の化石がいくつも産出されていた。


 そのうちこの日、見ることができたのは、首の長い「エラスモサウルス」類の椎骨が2点、首の短い「ポリコティルス」類の歯1点と椎骨3点だった。
 説明板によると、このセンター周辺に分布している「芦沢層」から産出する化石は、アンモナイト15種、二枚貝18種、サメ13種、海生爬虫類化石は4系統とある。世界的にも最古級の部類となるモササウルス類の化石も発見されているようだが、筆者は見つけられなかった。

 このいわき市大久地区に隣接する福島県広野町からは、恐竜の化石が発見されている。町の資料によると、1986年に折木北沢地区で草食恐竜「ハドロサウルス」類の脊椎骨と歯、また同じ北沢地区からは肉食恐竜「ティラノサウルス」類の左脛骨の化石が発見されている。それぞれ「ヒロノリュウ」と「フタバリュウ」との愛称が付けられている。いずれも白亜紀後期の恐竜だ。
 広野町役場には、「ハドロサウルス」」類に属する「チンタオサウルス」の全身骨格が展示されていた。

【首長竜の一種の椎骨】

【首長竜の一種の椎骨】

【首長竜の一種の椎骨】

【アンモナイトセンターで産出したさまざまなアンモナイト】

(取材・2026年5月8日)

いわき市アンモナイトセンター

〒979-0338 福島県いわき市大久町大久字鶴房147-2
0246-82-4561

休館日
毎週月曜日
(祝日の場合は、その翌日)
1月1日
午前9時から午後5時まで(入場は午後4時半まで)

入場料(観覧のみ)
一般        260円 
大学・高専・高校生 190円
中学・小学生    110円

体験発掘の開催は毎週土曜日・日曜日
雨天時・強風時・積雪時などは中止になる場合がある。

           (館案内による)