野馬追の里で産出したコエロサウルス類の足跡化石(南相馬市博物館①)
【コエロサウルス類の足跡の化石】
福島県南相馬市は、「相馬の野馬追」で有名な町だ。筆者にとっては父祖の地でもある。この町でも、恐竜の足跡が発見されていた。
南相馬市博物館の常設展示室に入ってすぐのところに、その展示があった。足跡の化石が見つかった露頭の写真を背景に、足跡の化石が置かれていた。説明板によると、「コエルロサウルス」類の足跡とある。長さ15センチ、幅14センチの3本の指が確認できる。足跡の化石としては、見てよく分かる方ではないだろうか。ただ、説明によると、この足跡は恐竜が直接地面を踏みしめた跡ではなく、足跡が深く押し込められたときに、その下の地層にできた「アンダープリント」と呼ばれるタイプの足跡化石だという。
この足跡をつけた恐竜の大きさは、腰の高さが約60センチ、頭の先から尾の先まで約2メートルとあった。
1996年に南相馬市鹿島区小山田にある、相馬中村層群のうちのジュラ紀後期の栃窪層で発見された。発見したのは、この地域でさまざまな化石を発見している平宗雄さんだ。筆者と同世代の方のようだ。活躍にただただ頭が下がる。これとは別に、南相馬市原町区でも恐竜の足跡を発見されているようだが、それについてはこの展示では言及はなかった。

【恐竜の足跡の化石の展示コーナー】
南相馬市では、この恐竜の足跡だけではなく、化石産出層に恵まれている。それもあってか2025年度からは「恐竜化石探索調査・教育普及事業」を始めている。2026年度には本格的な発掘調査を実施する予定とあるので、大いに期待したい。2027年度にはその成果を活用した企画展の開催を予定しているようだ。その折には、もう一度、この博物館を訪れたい。

【相馬野馬追のジオラマ】
南相馬市博物館の展示の中心は、やはり相馬野馬追だ。「神旗争奪戦」の様子が再現されている。勇壮なジオラマだ。
その後は縄文時代からの歴史を伝えている。縄文土器は中期の「人体文土器」など興味深いものが並んでいた。
さらに、原町区と鹿島区に広がる「金沢製鉄遺跡群」についても紹介されていた。原町火力発電所建設に伴う発掘調査により発見されたものだという。製鉄炉123基、木炭窯149基、住居跡などが発見され、古代の日本で最も大規模な製鉄遺跡群であることが分かったという。7世紀後半から10世紀初頭まで鉄を生産していた。
このうち、最も保存状態が良かった8世紀後半の製鉄炉を、切り取り保存した実物が展示されていた。
近代のものとしては常磐線「原ノ町駅」が紹介され。機関車の転車台の模型が展示されていた。
さらに、南相馬市とどういう縁があるのかは分からないが、スバル360の実車が展示されていた。子どものころには見慣れた車だったが、今見ると、本当に小さくてびっくりした。
どれも個人的になかなか興味深かった。

【縄文時代の人体文土器】

【8世紀後半の製鉄炉】

【転車台の模型】

【スバル360】
(取材・2026年5月9日)
南相馬市博物館
〒975-0051 福島県南相馬市原町区牛来字出口194
0244-23-6421
休館日
毎週月曜日
(月曜日が「国民の祝日に関する法律」に規定する休日の場合は、翌平日)
12月29日~1月3日
午前9時から午後4時45分まで(入場は午後4時まで)
観覧料
一般 300円
高校生 200円
小・中学生 100円
(ご利用案内による)