恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

恐竜時代の夏の暑さは11年毎に変化(福井県年縞博物館②)

恐竜時代の夏の暑さは11年毎に変化(福井県年縞博物館②)

【水月湖の年縞が7万年分展示されている】

 45メートルに描かれた7万年の歴史を現代からさかのぼって少しずつ見ていこう。
 

 西暦1200年ごろ、イネ科花粉が増加したことが分かる。歴史的にはちょうど、荘園が拡大していったころだ。
 7253年±23年前、鬼界カルデラの火山灰が厚く積もったことが分かる。鬼界カルデラは薩摩半島から南へ約50キロの大隅海峡にあるカルデラ。この時の噴火は世界最大級だった。
 1万209年±17年前 日本海のウルルン島が火山噴火し、その火山灰が飛んできた。
 日本最古の土器は、青森県の大平山元(おおだいやまもと)Ⅰ遺跡から出土したもので、1万6215年±1048年前のものと考えられている。
 日本列島でマンモスが絶滅したのは、表記の最寒冷期の終わり頃とみられ、1万9645年±283年前と考えられている。
 また、日本列島でナウマンゾウとオオツノジカなどの大型獣が絶滅したのは2万5844年±2272年前と考えられているという。
 2万8888年±36年前 鳥取県の大山が噴火したときの火山灰が記録されていた。
 3万78年±48年前 鹿児島湾北部にある姶良カルデラが噴火した時の火山灰が記録されていた。水月湖の年縞に含まれるいちばん厚い火山灰層だ。
 堆積した地層を見ていくだけで、7万年という年月の重さを感じる。また、火山の噴火による影響の大きさも痛感する。

【福井県年縞博物館の入り口】

 ただし、7万年前までではさすがに、恐竜の話とは縁がない。
 と思ったら、「世界の年縞」についての説明のところで恐竜と縁のある話が出てきた。


 モンゴル南東部には、約1億2000万年前の白亜紀中期にあった数多くの湖の地層が1000キロ以上にわたって点在している。そのうちのシネフダグ地域にごく細かい縞からなる「年縞」が見つかっているそうだ。
 この年縞の分析によって、恐竜時代には、夏の暑さの変化が約11年周期で起こっていたことがわかった。11年周期の変動は、太陽の活動の変動周期と同じだ。この時期の大気中の二酸化炭素濃度は現在の4~10倍もあり、かなり暑い時代だった。当時は気候と太陽活動の変化が大きかったことがうかがえるとある。
 年縞に残る変動だから、けっこう厳しい変動だったのだろう。恐竜たちにはどんな影響を与えたのだろう。


 ちなみに11年周期の太陽の変動は、現代のアマチュア無線家にはとても大きな影響を与えている。太陽の活動が盛んな時期には、短波による通信がとても盛んになるが、太陽の活動が静かになるととても通信が難しくなる。最近では2024年~25年にかけてが最盛期だった。現在は下り坂だ。その変化の大きさはとても大きく、恐竜の苦労をついつい思ってしまう。


 話が大きくそれたが、福井県年縞博物館の魅力は筆者の力では、なかなか書き尽くせない。なんとも言えない魅力があるので、ぜひ、多くの人に訪れて欲しい。

 ここがなくては考古学も古生物学も始まらない。

(取材・2026年4月10日)

福井県年縞博物館

〒919-1331 福井県若狭町鳥浜122-12-1 縄文ロマンパーク内
0770-45-0456

休館日
毎週火曜日
年末年始(12月29日~1月2日)
午前9時から午後5時まで(入場は午後4時半まで)

観覧料
一般                500円 
小学生・中学生・高校生       200円

 小学生未満および70歳以上は無料。70歳以上は年齢を証明できるものを提示する。

           (利用案内による)