恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

大きな恐竜の足跡がずらりと並ぶ(福井県大野市・和泉郷土資料館 くずりゅう化石ラボ・オーノ①)

大きな恐竜の足跡がずらりと並ぶ(福井県大野市・和泉郷土資料館 くずりゅう化石ラボ・オーノ①)

【恐竜の足跡】

 福井県大野市は、お隣の勝山市と共に恐竜化石の産出地だ。勝山市と同じく「手取層群」が分布するが、勝山市北谷町が約1億2000万年前の手取層群北谷層であるのに対し、大野市和泉地区(旧和泉村)に分布するのは手取層群伊月層と後野(のちの)層といい、伊月層は約1億2700万年前の地層と福井県では最古だ。


 「くずりゅう化石ラボ」は小さな施設ではあるが、その大野市から産出した恐竜などの化石をずらりと並べている。福井県立恐竜博物館とは自動車で40分もかからないような距離ではあるけれど、地元で産出した恐竜化石は、まず地元で展示するのが道理であるように思うがどうだろう。


 小学校の教室ほどの小さな展示室だ。目立つように恐竜のシルエットの下に展示されているのが、恐竜の足跡3点だ。どれも大きい。縦横30センチ以上あるだろう。「恐竜の足跡」とだけ説明されているのが2点、「イグアノドン類の足跡 アンブリダクティルス」と書かれているのが1点だ。「アンブリダクティルス」とは、イグアノドン類など白亜紀の大型鳥脚類の足跡に付けられた生痕化石属の学名だ。
 別のところにも「恐竜の足跡」とか、「獣脚類の足跡」が並んでいた。

【恐竜の足跡】

【イグアノドン類の足跡】

【獣脚類の足跡】

 他に多かったのが、カメ関連の化石だ。
 特記されていたのが、「マンチュロケリス」属の一種の化石だ。中国の白亜紀前期の地層から産出されていたカメ類のグループだったが、日本では大野市で初めて産出した。新種の可能性もあるそうだ。
 「カメ化石が多く発見される理由」との説明板も掲示されていた。福井県の恐竜化石産地ではさまざまな脊椎動物化石が発見されているが、そのほとんどがカメの化石だという。逆にカメの化石は、恐竜化石を発見する有効な手がかりとなっているという。
 カメの骨が化石として保存されやすいのは、まず、彼らがもつ甲羅にあると思われると記されていた。甲羅は骨板とそれを覆う鱗板からなるが、鱗板は死後に分解されてしまうが、骨である骨盤はとりわけ頑丈にできているため地層中に化石として保存されやすいとのことだ。さらに、ここが肝心なのだが、「カメは死後埋没されやすい環境にいる」とあった。カメは水中で過ごす時間が長かったと考えられ、死後、骨がそのまま埋没しやすい環境下に暮らしていたと説明されていた。
 実に納得できる理由だな。

【マンチュロケリス属の一種の化石】

 もうひとつ珍しい化石として、アンモナイトの「エピストレノセラス」属の一種の化石が紹介されていた。
 2017年に大野市教育委員会の学芸員が、ジュラ紀中期の地層から発見した。これまではヨーロッパやインド、中南米で発見されていたが、東アジアでは初めての産出だったという。

【エピストレノセラス属の一種】

【くずりゅう化石ラボ】

(取材・2026年5月27日)

福井県大野市 和泉郷土資料館「くずりゅう化石ラボ ガ・オーノ」

〒912-0205 福井県大野市朝日25ー7
0779-78-2845

休館日
月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日
年末年始(12月27日から1月4日まで)
館内整理の期間
平日・土曜日
午前9時から午後4時まで
日曜日・祝日
午前9時から午後5時まで

入館料
大人        400円
小人(中学生以下) 無料

           (利用案内による)