恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

日本最古級のティラノサウルス類化石も展示(福井県大野市・和泉郷土資料館 くずりゅう化石ラボ・オーノ②) 

日本最古級のティラノサウルス類化石も展示(福井県大野市・和泉郷土資料館 くずりゅう化石ラボ・オーノ②) 

【動く親子の恐竜】

 「くずりゅう化石ラボ・オーノ」には、恐竜の歯の化石も3点展示されていた。
 一つ目がティラノサウルス類の前上顎骨歯の化石だ。白亜紀前期の約1億2700万年前の手取層群伊月層から産出した。高さ約10ミリ、前後長約5ミリと小さなものだが、国内最古級だという。
 ティラノサウルス類といっても、「ティラノサウルス・レックス」のような大型を思い浮かべるのは間違いだろう。時代はまだ白亜紀前期。「ディロング」などの時代だろうか。とすると、背の高さは1・6メートルから2メートルぐらいか。もっと小さかったのかも知れない。
 地図で示されていたのが、国内でのティラノサウルス類の化石の産出地。意外に多く、北海道芦別市、岩手県久慈市、福島県広野町、石川県白山市、兵庫県丹波市、熊本県御船町、長崎市から産出されているとあった。


 ほかには 獣脚類の中のテタヌラ類の外側歯が展示されていた。こちらはあまり説明はなかった。もう一つはイグアノドン類の上顎骨歯だ。
 勝山市のように、全身骨格標本が作れるほどの産出はないが、今後を楽しみにしよう。

【テタヌラ類(上)とティラノサウルス類の歯】

【イグアノドン類の歯】

 さて、「くずりゅう化石ラボ・オーノ」は全国でも貴重な、鉄道だけで行くことのできる恐竜施設だ。福井駅を出発し、JR九頭竜線(越美北線)を通って1時間40分ほどで九頭竜湖駅に着く。駅からは、道の駅くずりゅうを通って2分もかからない。途中には「ティラノサウルス・レックス」とおぼしき恐竜の親子が動いている。
 九頭竜湖駅は2026年4月から無人駅になったが、駅には福井駅にも負けないような、恐竜の飛び出す姿が描かれているし、顔出し看板などもあって微笑ましい。
 今回は自動車で来たが、次回はぜひとも列車で来たいと思った。ただし、本数が1日九頭竜行きが4本、福井行きが5本しかないから、工夫が必要だろう。

【源義平と青葉の笛の伝説の銅像】

 「くずりゅう化石ラボ・オーノ」の前には、兜を持つ武将が若い娘に笛を渡す銅像が置かれていた。なかなか、美しいと感じる銅像だ。
 和泉地区に伝わる「義平公と青葉の笛」の伝説を描いている。平治の乱で敗れた源義平がこの地に落ち延びてきたという話だ。村の長の娘と恋に落ち、娘は子どもを宿した。幸せな日々を過ごしていたが、父の源義朝が京で捕らわれ、さらし首になっているという知らせを受けて、上京を決意した。別れの時に娘に横笛を渡し、「もし生まれてくる子が女であったら、この静かな山里で静かに暮らせ」と伝えたという。
 その笛が800年以上経った今も、村の長だった家に家宝として伝わっているという。
 その歴史を伝える「笛資料館」という施設があったそうだが、現在は閉館になっている。
 「平家の落人」伝説は日本各地にあり、この大野市内にもあるようだが、源義平の伝説とは思いもしなかった。生まれたのは女の子だったようだが、その子は源頼朝・義経の姪だったわけだ。どんな子だったのだろう。恐竜に決して負けないロマンあふれるお話だ。

【九頭竜湖駅内の顔出し看板】

【九頭竜湖駅内の恐竜の絵】

(取材・2026年5月27日)

福井県大野市 和泉郷土資料館「くずりゅう化石ラボ ガ・オーノ」

〒912-0205 福井県大野市朝日25ー7
0779-78-2845

休館日
月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日
年末年始(12月27日から1月4日まで)
館内整理の期間
平日・土曜日
午前9時から午後4時まで
日曜日・祝日
午前9時から午後5時まで

観覧料
大人        400円
小人(中学生以下) 無料

           (利用案内による)