恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

ゴンドワナ大陸の肉食恐竜マプサウルスを展示(FUJIなごや科学館①)

ゴンドワナ大陸の肉食恐竜マプサウルスを展示(FUJIなごや科学館①)

【マプサウルス】

 2026年4月1日から「名古屋市科学館」に「FUJIなごや科学館」との愛称が付いた。ホームページによれば、ネーミングライツ料は年額・税抜きで6500万円。同年10月1日からは、平常時の展示室観覧料も100円だが値上げされる。
 確かに、維持費がかかるのだろうな。と思わせるだけの内容が、この科学館にはある。とにかく、見るだけではなく、なんでも実際に試してみることができる科学館だ。てこの原理や滑車の原理から始まって、本格的な実演実験まで、豊富な内容だ。極地を疑似体験する「極寒ラボ」や、「竜巻ラボ」「放電ラボ」などと大人でも十分楽しめると思う。


 展示しているものもマニアを唸らせるものがいっぱいある。
 筆者の場合、うれしかったのが屋外に展示されていた国産ロケットの「H-ⅡB」だ。入口にはその第一段用エンジン「LE-7」が置かれていた。日本ならではの細かな技術が込められたエンジンだ。もう35年ぐらい前になるか、筆者は種子島に打ち上げを取材に行った記憶がある。日本のロケットは、みな名古屋で最終組立されて、種子島へと運ばれる。

【マプサウルスは親子が寄り添うような形で展示されている】

 そんな科学館だが、恐竜関係の展示も最小限だが、ちょっと他所では見ることができないものだった。
 白亜紀前期の恐竜「マプサウルス」の復元全身骨格模型が、生命館2階に展示されていた。

 ちょっと見ると、「ああまた『ティラノサウルス』かい」と思ってしまうが、少し落ち着いて見るとずいぶん違う。たとえば、頭の形が違うのだ。「ティラノサウルス」とくらべると少々面長な感じがする。専門家がみれば、いろいろともっと違うところを指摘するのだろう。
 説明板などによれば、この「マプサウルス」は、白亜紀に南半球にあったゴンドワナ大陸で繁栄した典型的な肉食恐竜だ。アルゼンチンのネウケン州での発見場所では、同じ場所から大量の骨の化石が発掘され、全部で7個体分以上あったという。体長は6メートルから13メートルとまちまちだった。大型肉食恐竜はほとんどは単独で発見される。それだけに珍しい産出地だ。この地域では「マプサウルス」がある種の群れを作っていた可能性も考えられるとあった。しかし、これに反対する考えもあるようだ。
 とりあえずここの展示では、大きさが違う2頭が、親子が仲良く寄り添うように復元されていた。

【パレオパラドキシアの産状化石レプリカ】

 驚いたことに、すぐわきに、絶滅した哺乳類の「パレオパラドキシア」の産状レプリカが展示されていた。しかも、2022年6月に岐阜県瑞浪市で発見されたばかりのものだ。瑞浪市化石博物館で紹介したものと同じものだろう。このレプリカを題材に、古生物や化石に関する研究の面白さを知ってもらうための展示だという。


 もうひとつ、古生代末の「史上最大の生物絶滅を解き明かす木曽川の岩石」として、愛知県犬山市付近の木曽川に露出しているチャートが展示されていた。チャートとは深海底堆積物が固まったものだ。チャートの色は一般に赤っぽいが、大絶滅が起こったころの層だけが黒っぽい。色の違いは、含まれる微量の鉄の酸化状態の違いを表しているという。黒っぽいチャートは、深海底が酸素欠乏状態であったことを示しているというわけだ。酸素不足が生物絶滅の原因と考えられていると記されていた。

【HⅡBロケットの一部】

【ロケットエンジンのLE7】

(取材・2026年6月23日)

名古屋市・FUJIなごや科学館

〒460-0008 名古屋市中区栄二丁目17番1号(芸術と科学の杜・白川公園内)
052-201-4486

休館日
月曜日(祝日・休日の場合は開館し、直後の平日を休館)
第3金曜日(祝日・休日の場合は開館し、第4金曜日に休館)
年末年始(12月29日から1月3日)
その他
臨時開館、休館日がある。詳しくはホームページのカレンダーで確認のこと。
午前9時半~午後5時(入館は午後4時半まで)

観覧料(当日 展示室のみ)
2026年9月30日まで
一般        400円
高校・大学生    200円
(要・学生証)
中学生以下     無料

2026年10月1日から
一般        500円
高校・大学生    300円
(要・学生証)
中学生以下     無料

           (ホームページなどによる)