恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

1997年に発見された恐竜の化石がずらりと並ぶ(熊本県・天草市立御所浦恐竜の島博物館②)

1997年に発見された恐竜の化石がずらりと並ぶ(熊本県・天草市立御所浦恐竜の島博物館②)

【国内最大級という獣脚類の歯】

 入館する。まずは「プロローグ:地球誕生から恐竜時代へ」の題で、化石が並ぶ。最初が「アノマロカリス」。古生代カンブリア紀の筆者の好きな化石だ。両生類の「イクチオステガ」の化石なども並んでいる。そしていよいよ、「白亜紀の天草」。「天草は恐竜たちの楽園でした」の言葉と共に、天草産出の恐竜の化石が棚に入れられて並んでいた。ざっと数えて20数個あった。


 天草の場合、白亜紀の地層が大きく分けて二層ある。約1億年前に堆積し始めた御所浦層群(烏帽子層・江の口層・唐木崎層)と約8500万年間からそれ以降に堆積した姫浦層群(樋の島層・阿村層・天草大江層・宮野河内層・下津深江層)だ。
 

 1997年3月に御所浦地域で最初に発見された恐竜化石が「植物食恐竜のすねの骨」だ。御所浦層群唐木崎層から見つかった。関節部分が失われているので、竜脚類か曲竜類(よろい竜)のどちらであるか、今も議論が分かれているという。
 同じく1997年3月に御所浦層群烏帽子層から産出されたのが、「獣脚類の歯」。約1億年前の地層である「白亜紀の壁」で見つかった。先端部分は失われているが、長さは6・4センチあり、本来は10センチほどだったと考えられる。全長10メートルを超える国内最大級の肉食恐竜(カルノサウルス類)のものと推定されている。
 これは確かに大きい、だいたい国内で発見されている獣脚類の歯というと小さなものが多いが、この歯は見るからに頑丈そうで、大きな恐竜の姿が想像できる。

【御所浦地域で最初に発見された恐竜化石。植物食恐竜のすねの骨だ】

 御所浦島外の天草市河浦町で1997年5月に発見されたのが「竜脚類の歯」。約8000万年前の姫浦層群宮野河内層から産出した。こちらは1・5センチと小さいもので、子どものものである可能性もある。


 1997年5月に、御所浦島近くの無人島である弁天島から見つかったのが、「獣脚類の足跡」。御所浦層群唐木崎層から産出したもので、約1億年前に付けられた。長さ38センチで、5メートル前後の肉食恐竜のものと推定されている。
 1997年に御所浦島の「白亜紀の壁」から発見されたのが「イグアノドン類の歯」。御所浦層群烏帽子層から産出した。長さ2・5センチ。先端がすり減った様子がよく分かる。
 1997年だけで、これだけ数多くの恐竜の骨があちらこちらから見つかると、この地域ではさぞかし大騒ぎしたろうなと想像してしまう。

【獣脚類の足跡化石】

(取材・2026年6月30日)

熊本県・天草市立御所浦恐竜の島博物館

〒866-0313 熊本県天草市御所浦町御所浦4310-5
0969ー67-2325

休館日
月曜日(祝休日の場合は次の平日)
年末年始(12月30日から1月1日)
午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)

観覧料
大人        500円
高校・大学生    300円
小中学生      200円

           (博物館ガイドによる)