御所浦から1999年に発見された鳥脚類の化石を全身像に復元中(熊本県・天草市立御所浦恐竜の島博物館③)
【復元中の鳥脚類の化石】
天草産出の恐竜化石は、まだまだ研究途上であることが展示の上からも、よく分かる。
壁に、鳥脚類のプロバクトサウルスの骨格図が等身大で描かれ、その上に、鳥脚類の骨の化石のレプリカが貼り付けられていた。この化石は御所浦島の「白亜紀の壁」から1999年の調査でまとまって見つかったもので、現在もクリーニング作業が続けられている。作業が終わった標本から順に、レプリカを貼り付けているそうだ。
写真の黒く見えている部分が、貼り付けられた部分。26年経ってもまだまだであることがよく分かる。化石が含まれる地層の岩石は非常に緻密で硬く、クリーニング作業が難しいといわれている。
もう少し、クリーニングが進めば、新属新種として発表されるのではないか、とついつい期待もしてしまう。

【獣脚類の肋骨】
研究の結果、竜脚類の肋骨と分かった化石も展示されていた。これも1999年に鳥脚類の骨と一緒に見つかったため、長い期間長脚類の上腕骨とされていた。復元すると、1・4メートルほどの長さになり、全長約15メートルの国内最大級の恐竜のものと考えられるという。
研究途中のため、別の場所で展示され、さらに写真撮影が禁止になっていたのが、「ティラノサウルス類の下あご」だ。ティラノサウルスのあご化石としては国内初の化石だという。天草下島の苓北町にある姫浦層群下津深江層(約7400万年前)から見つかった。この博物館と福井県立恐竜博物館の共同研究の成果だ。
発見されたのは2014年。御所浦でクリーニング作業を行い、さらに福井県立恐竜博物館などのCT装置を使用した結果、ティラノサウルスの左歯骨と右歯骨と分かった。2024年になって発表された。全長は7メートル前後になるという。

【鳥脚類の化石】
このほか、まだまだ、恐竜の化石が並んでいた。
ティラノサウルスの歯は2014年に天草町の宮野河内層から見つかった。
ハドロサウルス類の歯は、天草町の下津深江層から2018年と2021年に見つかった。
獣脚類としか分からないが、肋骨、上腕骨、末節骨、前歯、歯が6本、足跡が展示されていた。
また、鳥脚類の椎体、血道弓、肋骨。恐竜としか言えないが、椎体が展示されていた。
面白いと思ったのが、「爬虫類の皮膚の跡」の展示。2001年に小学一年生らが、御所浦層群唐木崎層で発見した。細かいウロコや楕円形の突起が確認できる。ハドロサウルス類か、絶滅した爬虫類で淡水に住んでいたコリストデラ類の可能性があると記されていた。

【竜脚類の肋骨など天草地域から産出した化石がずらりと並んでいた】
(取材・2026年6月30日)
熊本県・天草市立御所浦恐竜の島博物館
〒866-0313 熊本県天草市御所浦町御所浦4310-5
0969ー67-2325
休館日
月曜日(祝休日の場合は次の平日)
年末年始(12月30日から1月1日)
午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)
観覧料
大人 500円
高校・大学生 300円
小中学生 200円
(博物館ガイドによる)