国内最古の大型哺乳類コリフォドン類を展示(熊本県・天草市立御所浦恐竜の島博物館⑤)
【コリフォドン類の実物大復元模型】
この博物館は恐竜だけじゃない。天草地域で産出した新生代の哺乳類についても展示している。
2階に上がると、奇妙な動物の全身復元標本が展示されていた。この博物館で、初めて見る標本だ。こんな動物、見たことがない。なんだか目が大きくて、耳が小さいカバのような動物だ。これが「コリフォドン類」だった。肩の高さ1メートルほど、全長は2・5メートルほどだ。すでに絶滅した汎歯(はんし)類に属する哺乳類で、日本最古の大型哺乳類だ。水辺に住み、草を食べていたと考えられている。

【正面から見たコリフォドン類の全身復元模型】
天草地域では1995年に御所浦町牧島の海岸から下あごと歯が見つかった。古第三紀の弥勒層群(約4900万年~約4700万年前)の中の赤崎層から産出した。赤崎層は水の豊かな陸地が広がっていた時期に堆積した地層だ。
続いて同じ年に「コリフォドン類」の子どもの頭骨が発見された。永久歯に生え替わる前の乳歯が生えていた。
続いて2004年から2005年にかけて行った牧島での発掘調査で、下あごと上あごの歯が見つかった。下あごにはほとんどすり減っていない永久歯が並び、若い大人のものと見られる。

【コリフォドン類の骨の化石】
同じ牧島の赤崎層からは、「トロゴサス」の骨が見つかった。こちらも、絶滅した哺乳類のグループである裂歯(れっし)類に属している。これも日本最古の大型哺乳類といえるそうだ。
このほかバク類やステゴドン(ゾウ類)も見つかっている。
この博物館で感心するのは、レプリカについて「複製」とはっきり明示していることだ。専門家でもない人間にとっては、実物であろうが、複製であろうが、あまり大きな問題ではない。ただ、他の博物館ではどちらか分からないままの表示があまりに多すぎるように思う。複製は複製でかまわないのだから、この博物館のようにはっきりと表示してもらいたいものだ。
まあ、この博物館にすれば、天草地域の本物の化石を多数、所蔵しているからこその、「複製」表示なのだろうな、とも思った。
そんなこんなで、展示を楽しく見ていたら、あっという間に2時間近く経ってしまい、あわてて帰りの船に乗ることになった。
せっかくの御所浦島滞在も、完全に博物館だけだった。本当に数十歩歩いたぐらいだ。いかにももったいない、とは思うが、博物館に来られただけでもよしとしよう。
日程さえとれれば、御所浦島に宿を取り、化石が産出した場所を実際に見に行くような旅をしたいものだ。
そうそう、この博物館は、「博物館ガイド」がなかなか秀逸だった。丁寧な説明に加えて、「化石ミニガイド」がついていて、とてもわかりやすく、ありがたかった。

【コリフォドン類の子どもの頭骨】
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【コリフォドン類の下あご(左)と上あごの歯の化石】

【トロゴサスの骨の化石】
(取材・2026年6月30日)
熊本県・天草市立御所浦恐竜の島博物館
〒866-0313 熊本県天草市御所浦町御所浦4310-5
0969ー67-2325
休館日
月曜日(祝休日の場合は次の平日)
年末年始(12月30日から1月1日)
午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)
観覧料
大人 500円
高校・大学生 300円
小中学生 200円
(博物館ガイドによる)