恐竜に関する文化を伝える展示も(ベネックス恐竜博物館=長崎市恐竜博物館③)
【ルイス・ポール・ジョーナスによる「コエロフィシス」の実態模型】
「恐竜の時代」と題した展示は、並べられている全身骨格模型こそ十数体ととりわけ数が多いわけではないが、恐竜に関する文化を伝えるものや、勉強になるものが多く、いくら見ても見飽きなかった。
その最初が「実物大動物模型のパイオニア」と称する展示。ルイス・ポール・ジョーナス(1894~1971年)を紹介している。ニューヨーク万博(1964~1965年)で展示された9体の恐竜模型など、解剖学的な知識に裏付けられた動物模型を得意とした彫刻家だ。彼による、三畳紀後期の獣脚類「コエロフィシス」の実態模型が並んでいた。
「パレオアーティストの始祖」ともいうべき芸術家がチャールズ・ロバート・ナイト(1874~1953年)。パレオアーティストとは科学的な研究に基づき、恐竜などの生きていた姿を絵画や彫刻で復元する専門家のこと。1899年に彼が制作したステゴサウルスの復元模型のレプリカが展示されていた。
「恐竜ルネサンスの申し子」と紹介されていたのが、スティーブン・アンドリュー・ツェルカス(1951~2015年)。躍動的な恐竜模型を造った米国の彫刻家だ。ティラノサウルスの模型が展示されていた。
「日本の恐竜造形家の草分け」とは、荒木一成さん(1961年生まれ)。フィギュアの原型制作だけではなく、国内の博物館に数多くの作品が展示されている。ここではエドモントサウルスの模型が展示されていた。

【触ることができる「トリケラトプス」の角の化石】
面白いと思ったのが、恐竜の骨の化石を触る展示。多くの博物館ではさわる骨というと、竜脚類の大腿骨が多いのだが、ここではなんと「トリケラトプス」の角が置かれていた。「やさしくさわってね!」とのこと。大腿骨ならわざわざ触る気は起きないが、角だと思うと珍しくて思わず触ってみた。
あと「アンキロサウルス」の皮骨がさわれるようになっていた。白亜紀後期の米国・サウスダコタ州で産出したものだ。
「ハドロサウルス類」の皮膚のレプリカも展示されていた。白亜紀で産地は不明だった。獣脚類や角竜類などでは、多くの恐竜が羽毛や毛を持っていた可能性はあるが、鳥脚類のミイラにはそれらの痕跡はなかった、代わりに鳥脚類の体はトカゲやワニのようにうろこ状の皮膚で覆われていたと考えられる、と説明されていた。

【ハドロサウルス類の皮膚の化石】
展示されていた全身骨格標本は、ジュラ紀後期はカマラサウルス(竜脚類・米国)、カンプトサウルス(鳥脚類・米国)、アロサウルス(獣脚類・米国)。白亜紀前期はシオングアンロン(獣脚類・中国)、シノベナトル(獣脚類・アジア)。白亜紀後期はガリミムス(獣脚類・モンゴル)、ヴェロキラプトル(獣脚類・モンゴル)、コンコラプトル(獣脚類・モンゴル)、ピナコサウルス(装楯類・モンゴル)などだ。広い会場に置かれているので、どれもゆっくりじっくりと見ることができた。

【カマラサウルス】

【カンプトサウルス】

【アロサウルス】

【シオングアンロン】

【シノベナトル】

【ガリミムス】

【ヴェロキラプトル】

【コンコラプトル】

【ピナコサウルス】
(取材・2026年7月2日)
ベネックス恐竜博物館(長崎市恐竜博物館)
〒851-0505 長崎市野母町568-1
095ー898-8000
休館日
原則月曜日(詳しくは博物館HPを)
12月31日・1月1日
午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)
観覧料(常設展示)
一般 500円
小学生・中学生・高校生 250円
博物館+軍艦島資料館セット券
一般 750円
小学生・中学生・高校生 400円
(館内ガイドによる)