面白い展示がいっぱい。さまざまな三葉虫や「所属不明な生き物」、動くティラノサウルス(ベネックス恐竜博物館=長崎市恐竜博物館④)
【動くティラノサウルス】
「恐竜の時代」の展示室の前には、「生命の記録」との展示がある。先カンブリア紀から古生代までの展示だ。
ここの展示もまた面白かった。
まずは「所属不明な生き物」との題で展示されていた「トゥリモンストゥルム」だ。石炭紀の生物で、、米国イリノイ州のメゾンクリークから産出した化石と、復元模型が展示されていたが、所属不明である前に、訳の分からない姿だ。はさみのようなものが1本だけ前に飛び出て、体の途中に突起があり、後ろの方はイカの頭が逆さに付いたようになっている。
説明板によると、大きな分類すら不明な生き物(プロプレマティカ)の代名詞となっている生物だそうだ、化石の発見者であるアマチュア化石収集家のフランシス・タリー氏にちなんで、「タリーモンスター」とも呼ばれている。脊椎動物に属すると言う説が発表されたこともあるが、最近ではそれを否定する意見も発表された。まだまだ議論が続きそうな生き物だ。
産出場所のメゾンクリークには石炭紀の化石鉱脈(ラガシュテッテン=他では得られないような学術的な情報が得られる貴重な化石層)があり、「エッセクセラ」と呼ばれるクラゲの仲間など、通常では保存されにくい生き物の軟組織が保存されている。また、生き物の多様性が高く、湿地や浅い海などで生息していた動物300種以上、植物20種以上が報告されているという。

【トゥリモンストゥルム】
「三葉虫」は多くの博物館で展示されている化石だが、ここでは説明がわかりやすくて面白かった。
「三葉虫」はカンブリア紀(約5億4200万年前~4億8830万年前)の初期に出現し、ペルム紀(約2億9900万年前~2億5190万年前)の終わりまで生き延びた古生代を代表する節足動物だ。説明板によると、体が中葉と左右の側葉で構成されていることからトロバイトと呼ばれ、「三葉虫」と訳された。
「三葉虫の栄枯盛衰」と題された説明板があり、オルドビス紀末の大量絶滅によって激減したが、デボン紀になると再び繁栄し、頭や体に角や棘をもつものが出現した。しかし、デボン紀末の大量絶滅で再び激減し、ペルム紀末の史上最大の大量絶滅によって完全に姿を消した、と説明されていた。「栄枯盛衰」という表現が面白かった。
化石としてはカンブリア紀の「オレノイデス」(米国ユタ州ミラード郡)、「アンダルシアナ」(産出地不明)、「エルラシア」(米国ユタ州)、デボン紀の「エルドレドゲオプス」(米国ニューヨーク州?)などが並んでいた。
三葉虫とは別に、印象に残った化石もあった。シルル紀のウミサソリ類「ユーリプテルス」(産出地不明)と、ペルム紀前期の爬虫類「メソサウルス」(レプリカ・ブラジル)だ。「メソサウルス」は大陸移動の証拠された化石だ。
すべての展示のほとんど最後のところに、動く「ティラノサウルス」が置かれていた。豪快に吠える姿が、人気を集める一方で、怖くて泣き出す幼い子も少なくはなく、ちょうどよい置き位置だな、と感じた。

【メゾンクリークの生きものたち】

【オレノイデス】

【アンダルシアナ】

【エルラシア】

【エルドレドゲオプス】

【ユーリプテルス】

【メソサウルス】
(取材・2026年7月2日)
ベネックス恐竜博物館(長崎市恐竜博物館)
〒851-0505 長崎市野母町568-1
095ー898-8000
休館日
原則月曜日(詳しくは博物館HPを)
12月31日・1月1日
午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)
観覧料(常設展示)
一般 500円
小学生・中学生・高校生 250円
博物館+軍艦島資料館セット券
一般 750円
小学生・中学生・高校生 400円
(館内ガイドによる)