日本で最も完成度の高い爬虫類の化石を展示(国立科学博物館②)
【フタバスズキリュウ】
地球館に続いて、日本館(旧本館、建物そのものが国重文)に足を進めた。常設展入り口から入ると、まず日本館を通り、地球館に行くことになるので、正確には戻ったことになる。
恐竜に縁があるのが、3階北翼。「日本列島の生い立ち」のコーナーだ。恐竜に限らず、まさに古生物学の夢とロマンにあふれた展示に思えた。
まず、目に飛び込んできた大きな全身復元骨格が「フタバスズキリュウ(Futabasaurus suzukii)」だ。わざわざ恐竜ではなく、海生爬虫類である首長竜だ、と断っているが、全身のほぼ70%が発見されており、「日本でもっとも完成度の高い爬虫類化石である」とも記している。
「ドラえもん」にも登場しており、子どもたちの人気、認知度は恐竜は負けないはずだ。

【フタバスズキリュウの産状骨格模型】
発見されたのは1968年にさかのぼる。当時高校生だった鈴木直さんが、福島県いわき市の大久川の川岸で発見した。白亜紀後期に堆積した双葉層群からの発見だった。クリーニング作業などに長い時間を要したが、その後の研究で頭骨、胸部、ひれに既存種には見られない特徴があることが分かり、2006年に首長竜の新属新種として学名が付けられた。産出した地層と発見者の名前から、学名が付けられている。
展示室には、全身骨格の下に、産状骨格標本が展示されていた。ほぼ1体分の化石が仰向けになった状態で発見されたが、発見されたときには、尾と後頭部などは川の流れによって浸食されて失われていたという。長い首も付け根付近で切断され、首の大部分も浸食などによって失われたのではないかと考えられるそうだ。

【フタバスズキリュウの頭骨】

【フタバスズキリュウの鎖骨や右上腕骨】

【フタバスズキリュウの左後肢】
さらに脇には、「フタバスズキリュウ」の頭骨、鎖骨、右上腕骨、左後肢などが展示されていた。
説明によれば、首長竜にはさまざまな種類があるが、「フタバスズキリュウ」は、頭骨や椎骨、手足の骨の形から、首が長い「エラウモサウルス類」の仲間であったことが分かるという。「エラスモサウルス類」は、世界のさまざまな地域でみつかっているが、種レベルで同定できる「エラウモサウルス類」としては、「フタバスズキリュウ」が北太平洋で最古の種だと記していた。
「フタバスズキリュウ」の体長は、首と尾の大部分が失われているため正確には分からないが、他の白亜紀後期の「エラウモサウルス類」を参考にして、全長6メートルから9メートル程度と推定されているという。いずれにしても、けっこうな大きさだ。

【国立科学博物館の名物。屋外展示されているシロナガスクジラ】

【国立科学博物館の常設展入り口】
(取材:2026年1月15日・5月2日)
国立科学博物館メモ
〒110-8718 東京都台東区上野公園7ー20
ハローダイヤル 050-5541-8600
休館日
毎週月曜日(日・月曜日が祝日・休日の場合は火曜日)
12月28日から1月1日、くん蒸期間(6月下旬ごろ)
午前9時から午後5時まで(入場は午後4時半まで)
常設展入館料
一般・大学生630円
小・中・高校生
並びに18歳未満と65歳以上、障害のある方とその付き添いの方1名は無料
(館内ガイドによる)