恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

東京から一番近い恐竜化石の産出地(神流町恐竜センター①)

東京から一番近い恐竜化石の産出地(神流町恐竜センター①)

【サンチュウリュウの復元模型】


 東京から一番近い恐竜化石の産出地が、群馬県神流(かんな)町だ。群馬県の南西部にある小さな町で、1985年の日航機123便墜落事故で有名な上野村の東隣、埼玉県との県境にあるといえば、イメージがわくだろうか。町のホームページによると、2025年12月31日現在の総人口は1456人、65歳以上の高齢者比率は64・56%という。ちょっと寂しい感じがするが、実際に行ってみると静かな落ち着きのある町だ。
 そんな町から、恐竜の骨が4種5個、産出されている。
 その恐竜の骨を展示しているのが、神流町恐竜センターだ。上信越自動車道の藤岡インターから約46キロのところにある。走る道は基本的には山道で、カーブが続くところもあるが、安全運転の速度で走れば、それほど恐くない。1時間ほどで少し開けたところに出ると、モンゴルの建物を模したという見慣れない建物と見えてくる。それが恐竜センターだ。近くには恐竜の姿も見える。ここまでJR新町駅からのバスがないわけではないのだが、一日数便しかなくて、ちょっと使いづらい。

【サンチュウリュウの胴椎骨】

 産出された化石はZONE2とZONE6に並べられている。いずれも同町神ケ原の山中層群瀬林層で見つかったものだ。白亜紀前期の地層だ。
 掲示された資料をもとに、発見順に並べると、まず「サンチュウリュウ」の胴椎骨の一部が1981年に発見された。背骨の一部で十数センチほどの大きさだ。一時は獣脚類のオルニトミムス類ではないかと言われたが、その後、再検討の必要があるとされている。サンチュウリュウは発見された山中地溝帯から名付けられた通称名で、学名はついていない。

【獣脚類の歯の化石】

 次は獣脚類のスピノサウルス類の歯が1994年に発見された。スピノサウルス類と言えば、2025年のハリウッド映画「ジュラシックワールド 復活の大地」にも登場し、海でモササウルス(恐竜ではありません)とともに暴れ回っていた恐竜だ。実際にはどうだったのだろう。
 2002年にはスピノサウルス類とは別の獣脚類の歯が見つかった。長さ4センチほどのいかにも恐竜らしい歯だが、種類は特定できていないようだ。福井県のフクイラプトルの歯に類似しているという意見があり、夢を感じる。
 2007年にはさらに竜脚類のティタノサウルス形類の物と考えられる歯が産出される。2015年にはスピノサウルス類の歯の2つ目が出ている。
 小さな化石ばかりで、どれも種が特定できないのが残念だが、有名な恐竜の名が並ぶ。さらに発掘・研究が進むことを祈るばかりだ。

【スピノサウルス類の歯】

【サンチュウリュウの復元模型】


         (取材:2026年1月23日)

神流町恐竜センターメモ

〒170-1602 群馬県多野郡神流町大字神ケ原51ー2
電話 0274-58-2829
休館日 
◎夏休み期間(7月下旬から8月末)は休まず営業
◎普段は月曜日(祝日または休日の場合は翌日)
◎12月~翌3月末までは木曜日も休館
開館時間
午前9時から午後4時半まで(入場は午後4時まで)
入場料
大人800円、子ども(小中学生)500円

           (センターHPによる)