小さいけれど、恐竜を体験できる施設(神流町恐竜センター③)
【ティラノサウルスの産状復元模型】
神流町恐竜センターに戻ろう。展示室に入ってすぐのところに、長さ1メートルほどの大きな骨の化石が置かれている。ジュラ紀の竜脚類「アパトサウルス」属の一種の上腕骨だ。米国ユタ州で産出されたもので、そう珍しいものではないようだが、うれしいのは添え書き。「この化石は本物です。触れてみてください!」。これを見て、多くの子どもたちが実際に触ってみたのだろう。化石の表面はつやつやと輝いている。
筆者は群馬で二度勤務したことがある。最初に勤務した30年近く前、この展示を見て、すっかりこの恐竜センターが好きになった。触って何が分かるかという意見もあるだろうが、実際に触ってみると恐竜という不思議な動物が実際に存在したことを感じられるし、添えられた絵の中で上腕骨が巨大な存在のほんの一部であり、体長22㍍と推測されるこの恐竜がいかに大きかったかを知ることができると思う。子どもたちはどんな思いでこの大きな骨を触ってきたことだろう。

【アパトサウルス類の上腕骨の化石。自由に触ることができる]
「アパトサウルス」属の一種については、脚部分、尾椎骨も展示されているし、同じ米国ユタ州から出土している恐竜の糞の化石や、恐竜が消化を助けるためにあらかじめ飲み込んでいたという「胃石」も並べられていて興味深い。なにも組み立てた大きな骨格標本を展示することだけが、恐竜についての展示ではないな、と感じた。

【アパトサウルスの脚部の化石】
とはいえ、この小さな博物館にも大きな骨格標本がないわけではない。中庭に設置された「ティラノサウルス」の産状復元模型だ。説明板によると、成長途中の個体であり、体格はややぽっちゃりしている。成体になると体長は最大13メートルになるが、この個体は体長11・6メートル。米国モンタナ州にあるロッキー博物館に収蔵されている標本に基づいて作成されたものだそうだ。
屋外に設置されていることもあるだろうが、この標本は触るのも自由なら、上に乗ってみるのも自由だ。さすがに大人として上に乗ることは遠慮したが、子どもならどんどん上にのればいい。そしてその大きさを実感して欲しい。ハリウッド映画から恐竜好きになる子どもも多いが、それだけでは寂しすぎる。この博物館に来てみて、触ってみて恐竜を体感して欲しい。
小さくて不十分なところはあるだろうが、それでも親しみやすい恐竜博物館だ。

【ライブシアターもある】

【アマルガサウルス(白亜紀前期・アルゼンチン)】

【アルティリヌス】
(取材:2026年1月23日)
神流町恐竜センターメモ
〒170-1602 群馬県多野郡神流町大字神ケ原51ー2
電話 0274-58-2829
休館日
◎夏休み期間(7月下旬から8月末)は休まず営業
◎普段は月曜日(祝日または休日の場合は翌日)
◎12月~翌3月末までは木曜日も休館
開館時間
午前9時から午後4時半まで(入場は午後4時まで)
入場料
大人800円、子ども(小中学生)500円
(センターHPによる)