恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

足跡だって化石になる(福井駅②)

足跡だって化石になる(福井駅②)

【ティラノサウルス・レックスのモニュメント】

 福井駅西口の『恐竜』は、「フクイティタン」や壁画、トリックアートだけじゃない。ぐるりと歩けば、沢山の恐竜がいることに驚かされる。 
 なにより人気があるのは、やはり「ティラノサウルス・レックス」だ。ハリウッド映画でもおなじみのこの恐竜、説明板では、白亜紀後期に北米に生息したとされる史上最大級の肉食恐竜とある。福井県大野市では、国内最古級となるティラノサウルス上科の歯の化石が発見されているとも書かれているから、福井に縁があるのだろう。

 【スコミムス・テネレンシスのモニュメント】

 それと対抗するように立っているのが、「スコミムス・テネレンシス」だ。説明板によると、アフリカのニジェールで発見された白亜紀前期のスピノサウルス科の肉食恐竜だ。福井県勝山市でもスピノサウルス類の歯の化石が数多く発見されているという。
 どちらも見学者の動きに合わせて動くから、興味深いし楽しい。小学生以上の、恐竜好きの男の子にとっては格好の相手のようだ。飛び跳ねて、喜び勇んで近寄っていく姿は見ているだけで微笑ましい。

【フクイラプトル(左)とフクイサウルスのモニュメント】

 少し離れて向かい合うように置かれているのが、「フクイラプトル」(Fukuiraptor kitadaniensis)と、「フクイサウルス」(Fukuisaurus tetoriensis)。福井県内の子供にはすでにおなじみなのか、「あっつ、フクイラプトルだ」と喜びの声をあげて近づいていく子どももいた。
 フクイティタンも含めて、この5体の恐竜モニュメントは、子どもたちだけではなく、若いカップルに人気だし、比較的年齢の高い男女も思わず記念写真を撮ってしまう魅力がある。5体の前には常に、写真を撮る行列ができていた。
 そんな恐竜モニュメントたちに対して、地味ではあるけれども決して負けない貴重な展示がこの広場にあった。福井県勝山産の恐竜の足跡化石だ。さすがに展示されているのは複製だが、実物大だ。フクイラプトルの仲間である獣脚類(肉食恐竜)の足跡は、長さ64センチ、幅53センチ。草食恐竜のアンキロサウルス類の足跡は長さ25センチ、幅35センチだ。実際に自分の足を横に置くことができるから、その大きさを実感できる。足跡化石について、福井県立恐竜博物館の展示では、足跡化石からは骨化石からでは分からない動物の行動や生態についての重要な情報が残されている、と説明されている。
 ただ動く恐竜モニュメントでみなを喜ばせるだけではなく、古生物学への興味に結びつけようとする、深い思いを感じさせてくれる展示だ。福井駅西口ではぜひ、足許も見て欲しい。

【フクイラプトルのモニュメント】

【フクイサウルスのモニュメント】

【ライトアップされたスコミムス・テネレンシス】

(取材:2025年12月28日)

福井駅メモ
東京から福井駅までは、新幹線で約2時間51分
           飛行機で約2時間
           自動車で約5時間半
大阪から福井駅までは、特急で約1時間50分
           自動車で約2時間40分
名古屋から福井駅までは特急で約2時間10分
           自動車で約2時間
        (福井県観光情報MAPによる)