福井駅西口に恐竜の咆哮を聞く(福井駅①)
【フクイティタン】
「プゥロォーッツ」「プゥロォーッツ」。福井駅の西口を出ると、異様な咆哮(ほうこう)が聞こえてきた。全国、いろいろな駅を旅してきたが、こんな駅は初めてだ。
ホームから降りたら、まず「恐竜王国福井にようこそ!」と恐竜の絵を描いた看板と、かわいい恐竜の絵を描き顔の部分をくりぬいた「顔出し看板」、さらに白衣を着た恐竜博士がベンチに座って待ち構えていた。
恐竜好きとして、なんだかうれしくなった。さらに、西口の駅前に出ると、くだんの咆哮が聞こえてきた、というわけだ。なんと恐竜たちの鳴き声だ。恐竜の声については、最近、研究が急速に進んでいるようだ。咆哮ではなかったという考えもあるようだ。いずれにしても、ハリウッド映画の恐竜のように仰々しくなく、音量も控えめで好感が持てる。
咆哮に続いて、目についたのが巨大な恐竜のモニュメントだ。全長が約10メートルある。頭が小さく、首と尾が長い。しかも、首が静かに動いている。説明を記した看板には、「フクイティタン」とあった。
それによると、福井県勝山市で2007年夏に発見され、2010年6月に論文が出版されて、日本で最初に学名がつけられた竜脚類となった、という。白亜紀前期に生息していた。
同じ恐竜のモニュメントと言っても、こういう実際に国内で化石が発見されて、研究が進められている恐竜は、その重みが違うように感じる。ただし、まだまだこの恐竜は研究途中。説明板に描かれた骨格図の中で赤色に着色された発見部位はまだ、ほんの少しであることも分かる。
それにしても、大きい。竜脚類の中でも有名な「アパトサウルス」は体長が20メートル以上、「アルゼンチノサウルス」は同じく30メートル以上あったというから、この「フクイティタン」は竜脚類としては小さい方なのだろうが、それにしてもでかい。動き出せば、駅前のビル群を直ちに踏み潰してしまいそうだ。
掲示によると、恐竜モニュメントの演出は午前9時から午後9時まで稼働、ライトアップは日没から午後9時、とのことだった。

【駅舎の壁から飛び出すトリケラトプス】
「フクイティタン」の前から振り返って駅舎を見ると、恐竜のいた時代を描いた壁画があった。白亜紀前期に福井に生育していた生物が描かれているのだそうだ。さらに、その下には「トリケラトプス」と「フクイラプトル・フクイサウルス」のトリックアートが、まるで駅舎の壁から飛び出してきたかのように描かれている。

【夜のフクイティタン】
駅前のホテルに泊まることにして、福井駅の見える部屋に入った。夜になって、最初は気づかなかったが、テレビを消すと、「プゥロォーッツ」「プゥロォーッツ」とあの咆哮が聞こえてきた。
この福井を手始めに、北海道から九州まで、日本全国の恐竜やその同時代の生物たち、さらには時代は違っても貴重な化石の発見地や、博物館を巡る旅を始めようと思う。

【福井駅ではホームを降りると、恐竜博士たちが出迎えてくれた】

【福井駅の駅舎からフクイラプトルやフクイサウルスが飛び出してくる】
(取材:2025年12月28日)
福井駅メモ
東京から福井駅までは、新幹線で約2時間51分
飛行機で約2時間
自動車で約5時間半
大阪から福井駅までは、特急で約1時間50分
自動車で約2時間40分
名古屋から福井駅までは特急で約2時間10分
自動車で約2時間
(福井県観光情報MAPによる)