恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

化石発掘体験の大きな夢と幻(神流町恐竜センター⑤)

化石発掘体験の大きな夢と幻(神流町恐竜センター⑤)

【神流町の瀬林層から産出した化石。これもまた実際に触ることができる】

 神流町恐竜センターを見学していて楽しいのは、神流町で産出されたいろいろな種類の化石が展示されていることだ。掲示されていた「神流町から発見された化石リスト」によると、恐竜4種類を含めて、アンモナイトなどの頭足類、二枚貝類、腹足類(巻貝類)、エビやカニの仲間、ウニの仲間、カメ類など計80余種が示されていた。

【神流町で産出されたアンモナイト類の化石】

 そのうちで、アンモナイト類などの化石が展示されている。

 その中で、ちょっと誇らしげな説明のつく化石もいくつかあった。どれもセンター近くの野外学習施設での化石発掘体験に参加して見つかったものだ。

 まず白亜紀前期の「ニシンの仲間の化石」。2002年3月に、東京都在住の6歳の子どもが発見した。国内で3例目だった
 続いて、「動物の骨化石」。2009年8月末、東京都在住の10歳の子どもが発見した。奇妙な形をした化石だったが、その後の調査で陸上に棲む脊椎動物の骨の一部の可能性が高まった。ただ、発見された化石が断片的なことから、何の動物かは分からなかった。
 2011年7月には東京都在住の7歳の子どもが、「ガノイン鱗の化石」を発見した。黒色泥岩の中に光る菱形のものを見つけ、それがガノイン鱗と分かった。古代魚に見られる、表面が硬いエナメル質のうろこだそうだ。
 そして2015年4月には長野県在住の6歳と3歳の兄弟が、恐竜の「スピノサウルス」科の歯の化石を見つけた。


 貴重な化石を見つけた子どもたちのうれしそうな顔が目に浮かぶ.発見を機会に、古生物学者の道を選んだ子どもだっていたかも知れない。筆者だって、許されるものならばやってみたい。

【神流町で産出したアンモナイト類の化石】

 

 ただ、この化石発掘体験。ちゃんとした学芸員による、しっかりした指導がなければただの宝物発見体験に陥ってしまう心配を感じる。考古学の石器や土器の発掘だって同じだろう。ただ、掘って見つければいいというものではないはずだ。
 そんなことを心配していたら、恐竜センターのホームページで、化石発掘体験は2024(令和6)年4月以降の開催は、場内整備中のため未定との記載があった。残念だが、仕方がないか。
 ただし、センター横で石を割って化石を探す「化石さがし体験」は、春になればまた開催されるようだ。

【マクロカフェテス】

(取材:2026年1月23日)

神流町恐竜センターメモ

〒170-1602 群馬県多野郡神流町大字神ケ原51ー2
電話 0274-58-2829
休館日 
◎夏休み期間(7月下旬から8月末)は休まず営業
◎普段は月曜日(祝日または休日の場合は翌日)
◎12月~翌3月末までは木曜日も休館
開館時間
午前9時から午後4時半まで(入場は午後4時まで)
入場料
大人800円、子ども(小中学生)500円

           (センターHPによる)