恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

世界の中世代の化石産地を紹介(豊橋市自然史博物館②)

世界の中世代の化石産地を紹介(豊橋市自然史博物館②)

【トリケラトプス・ホリダス】

 豊橋市自然史博物館の中生代展示室は、隣に小さな「恐竜劇場」がある。ジオラマと映像を用いて、恐竜の生態などを解説している。その画面脇にあるのが、「ブラキオサウルス」の前あしの骨格模型だ。天井から床まで、高さ4メートルはあるかという大きな展示だ。
 面白いのはその名前の移り変わりだ。説明板によると、
この前あしは1979年に椎骨と一緒に米国で発見され、85年に「ウルトラサウルス」との名がついた。しかし、この名前はすでに使われていたため、91年に「ウルトラサウロス」に改名。さらに、その後の研究によって96年に、椎骨は「スーパーサウルス」、前あしは「ブラキオサウルス」類の大型のものと分かったという。
 恐竜学はどんどん研究が進むから、研究者も暢気に構えてはいられないだろうな、と思ってしまう。

【ブラキオサウルスの前あしの骨格模型】

 中世代展示室は恐竜の骨格模型ばかりではない。その周囲には各時代の植物などの化石と解説が展開されている。その中でユニークで、見て楽しかったのが、世界の著名な化石産地別の展示だ。
 まず、紹介されているのがドイツのゾルンホーヘン。説明板によると、ミュンヘンの東に位置する町で、1861年に「アーケオプテリクス(始祖鳥)」が産出された。約1億5000万年前のジュラ紀後期にあった大きなラグーン(潟湖)にたまってできた粒の細かい地層のために、生物の細部まできれいに保存されている、とある。

【古代のトンボ「ステノフレビア」の一種の化石】

 確かに美しい化石が並んでいる。古代のトンボ「ステノフレビア」の一種は、羽根の模様がきれいに残っている。やはり絶滅した昆虫の一種「クレスモダ」。この化石を見る限りはなんだかアメンボに似ているような気がするのだが、どうなのだろう。
 大型のイカである「レプトテウティス」の化石も展示されていた。甲に対して、腕の部分が短いことが特徴で、この柔らかい腕の部分が残されていることが貴重だそうだ。クラゲ類の「セマエオストミテス」の化石もある。


 ブラジルの化石として紹介されているのは、東部にあるアラリーベ盆地の白亜紀前期の地層だ。魚の化石で有名なそうだが、昆虫の化石もウスバカゲロウ、トンボ、キリギリス、カゲロウ、コオロギ、ゴキブリの仲間などが展示されていた。


 レバノンには、白亜紀後期の地層が分布している。化石の産地はベイルートの北東約50キロのハケル地域だ。さまざまな魚類が並べられていた。


 博物館を回っていても、ついつい恐竜中心に見てしまう。こうやって他の古生物の化石を、じっくりと見るのもいいなぁ。

【レプトテウティスの化石】

【セマエオストミテス】

(取材:2026年2月17日、18日)

豊橋市自然史博物館メモ

〒441-3147 愛知県豊橋市大岩町字大穴1-238(豊橋総合動植物公園内)
電話 0532ー41ー4747
休館日 
毎週月曜日(月曜日が祝日・振替休日のときは翌平日)
12月29日~1月1日
午前9時半から午後4時半まで(入園は午後4時まで)
豊橋総合動植物公園入園料
当日券

大人 600円
小・中学生 市内在住の70歳以上 100円
未就学児は無料
前売り券は当日券の2割引

           (公園の営業案内による)