恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

恐ろしいのは恐竜だけじゃない(豊橋市自然史博物館④)

恐ろしいのは恐竜だけじゃない(豊橋市自然史博物館④)

【ディメトロドンの復元模型】

 今回も、豊橋市自然史博物館のつづきです。
 「恐い竜」と書いて、恐竜になるわけだが、恐く見えるのはは決して恐竜だけじゃない。
 中生代展示室に入る直前、古生代展示室の最後に展示されているのが、「ディメトロドン」。全身骨格標本と復元した姿が展示されているのだが、それがなんとも恐い。
 展示の説明によれば、北米大陸から化石が発見されており、古生代ベルム紀の初め(約2億9900万年前~2億7000万年前)に生息していたらしい。

【ディメトロドンの全身骨格標本】

 他の資料を調べていくと、かつては「哺乳類型爬虫類」と呼ばれていたが、現在ではこの言葉は使われなくなって、単弓類と呼ぶようだ。単弓類は古生代石炭紀後期からベルム紀末に生息した「盤竜類」と、ベルム紀後期から白亜紀前期に生息した「獣弓類」に分けられ、ディメトロドンはその中の「盤竜類」。強力な捕食者であったようだ、説明板でも大きなあごと鋭い歯を持ち、両生類や爬虫類を餌にしていた、とある。
 昔は、哺乳類は爬虫類から進化したと習ったようだが、現在は近年の研究成果から、両生類から双弓類と単弓類が進化したと考えられている。

【マチカネワニの全身骨格標本】

 もう一つ、恐い存在があった。それは新生代の展示の最後にあった「マチカネワニ」の全身骨格標本だ。頭を下にして縦に展示されているから、余計に恐しく感じる。
 約40万年前の更新世中期の地層から発見されたワニで、発見場所の待兼山の地名からマチカネワニと名付けられた。学名は「Toyotamaphimeia machukanennsis」。日本で初めて確認されたワニ類の全身骨格だ。頭骨の長さは1メートルを超え、全長は約6・9メートルから7・7メートル、体重は約1・3トンと推定されている。

 待兼山というと分かる人には分かるだろうが、大阪大学豊中キャンパスのあるところだ。1964年に理学部の建設現場で発見された。奇しくも筆者はこのころ、このすぐ近くに住んでいた。待兼山はまさに子どものころの遊び場だった。まさかその山でこんな貴重なものが発見されていたとは。いや、ワニ類の発見そのものはその後、聞いてはいたが、これほどのものとは思ってもいなかった。
 約40万年前といえば、恐竜たちと比べれば、すぐ最近のことである。しかもこの標本には、争った際に負ったと考えられるケガのあとが見られるという。
 原標本は待兼山にある阪大の総合学術博物館に常設展示されているという。ぜひ見に行かなければ。なお2025年9月に原標本は、国の天然記念物に指定されている。


 この回、恐竜の話は出なかった。申し訳ない。


      (取材:2026年2月17日、18日)

豊橋市自然史博物館メモ

〒441-3147 愛知県豊橋市大岩町字大穴1-238(豊橋総合動植物公園内)
電話 0532ー41ー4747
休館日 
毎週月曜日(月曜日が祝日・振替休日のときは翌平日)
12月29日~1月1日
午前9時半から午後4時半まで(入園は午後4時まで)
豊橋総合動植物公園入園料
当日券

大人 600円
小・中学生 市内在住の70歳以上 100円
未就学児は無料
前売り券は当日券の2割引

           (公園の営業案内による)