恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

世界初発見の「デスモチルスの頭骨」も展示(瑞浪市化石博物館②)

世界初発見の「デスモチルスの頭骨」も展示(瑞浪市化石博物館②)

【サハリンで産出したデスモチルスの全身骨格標本】

 瑞浪市化石博物館には、「デスモチルス」の頭骨化石のレプリカも展示されている。瑞浪市で1898年に、世界で最初に発見されたものだ。現在、原標本は国立科学博物館にある。デスモチルスは1888年に北米で初めて歯の化石が発見されたが、どのような生物かは分かっていなかった。それがこのこの頭骨の発見によって、研究するきっかけになったという貴重な化石だ。

 前回の「パレオパラドキシア」とこの「デスモチルス」などが、束柱目と呼ばれている。臼歯が円柱を重ねたような構造をしているところから名付けられた。

 この博物館にはデスモスチルスの全身骨格(レプリカ)も展示されている。1933年に当時日本領だった樺太(現在のサハリン)で発見されたものだ。これまた、世界初の全身骨格だった。

 「デスモチルス」もまた、詳しい姿などは分かっていない、かつては陸上を歩いていたと考えられていたが、同博物館では浅い海の底を移動している復元画を示している。
 束柱目はすべて絶滅している。現在、生きている生物の中では、奇蹄目(サイの仲間)に比較的近いと考えられている。

【瑞浪市で世界で初めて発見されたデスモチルスの頭骨】

 現在の岐阜県は、海なし県だ。だが、束柱目などが見つかった1900万年前から1500万年前ごろの瑞浪あたりは海辺か海の中だった。クジラやイルカなど海の生物の化石も数多く見つかっているし、魚類や「ヨコヤマビカリア」など貝の仲間たちも豊富だ。

【イサナセタスの近似種の化石の展示】


 最近では、2016~17年に、瑞浪市土岐町の瑞浪北中学校の建設工事で、クジラの化石が発見された。約1800万年~1700万年前の地層から、全身の60パーセントの骨が発見された。ヒゲクジラの一種で、「イセナセタス」の近似種とみられている。「エゾイガイ」の密集化石も見つかった。

【「ミズナミムカシアシカ(仮称)」の化石】

 さらに2020年には博物館の北約500㍍の道路建設工事現場で、「ミズナミムカシアシカ(仮称)」の化石が見つかった。ほぼ完全な状態の頭の骨などが採取された。小さいものではあるが、生態復元模型とともに展示されている。


 瑞浪市では次々と新しく貴重な化石が発見されている。同博物館ではそれをまた、できるだけ早く、そして詳しく展示している。その姿勢には頭を下げざるを得ない。発掘作業をし、クリーニングをし、論文を書き、そして展示の準備をすることはいかに大変か。


 恐竜とは縁がないことは分かっているが、瑞浪市化石博物館からは、これからも目が離せない。

(取材:2026年2月21日)

瑞浪市化石博物館メモ

〒509-6132 岐阜県瑞浪市明世町山野内1-47
電話 0572ー68ー7710
休館日 
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は、翌日が休館日)
12月28日~1月4日
資料整理のための休館日(ホームページ参照)
午前9時から午後5時まで(入園は午後4時半まで)
入館料
一般個人 200円
高校生以下は無料

           (瑞浪市ホームページによる)