どうして恐竜化石の産出は福井に多いのか(福井県立恐竜博物館③)
【フクイラプトルの全身骨格標本】
福井県立恐竜博物館の続きです。
博物館の新館には、1階から3階までの吹き抜けに、福井県で産出された恐竜6種と、鳥類1種のシンボルモニュメントが飾られている。すでに福井駅西口で登場した「フクイラプトル」と「フクイサウルス」「フクイティタン」の3種に加えて、「フクイベナトール」と「コシサウルス」、そして非常に原始的な鳥類であることがわかった「フクイプテリクス」が展示されている。鳥類は恐竜ファンならご存じの通り、獣脚類の一部であると考えられている。

【フクイベナートルの全身骨格標本】
本館に戻って、地球の科学ゾーンの周りには「福井県の恐竜」の展示がある。ここには、これらの恐竜に加えて、「ティラノミムス・フクイエンシス」についての展示があり、骨の本物の化石と、復元された全身骨格などが並んでいる。学名のついた恐竜以外にヨロイ竜類やスピノサウルス科の歯の化石などがある。
私は幼い時から恐竜は好きだった。しかし、私が子供だったころには、恐竜の化石は現在の日本国土からは発見されておらず、「日本には恐竜はいなかった」とまで言われていた。それが1978年に岩手県岩泉町で竜脚類の骨が発見されてから、北海道から九州まであちらこちらで発見されるようになった。
その中でも目立つのが福井県。どうして福井県にはこんなに恐竜化石の産出が多いのだろう。それについての明確な答えを出してくれていたのが、同博物館がこの2025年12月20日に出版したばかりの「Kitadani 恐竜時代の福井を解き明かす」(1800円)だ。
この本で書かれていることをおおまかにまとめると、福井県勝山市北谷(きただに)町にある「北谷層」は以前から、白亜紀の貝化石が数多く見つかることで知られていた。1982年に貝類の研究者が調査に訪れた時に、偶然、ワニの化石を発見。同じ地層には、恐竜の化石も眠っていると考えられた。88年に始めた調査では3日間で肉食恐竜の歯が2本見つかった。翌89年から福井県の事業として本格的な恐竜の発掘調査が始まり、断続的に30年以上にわたり発掘調査が続けられた成果だという。
調査地の写真を見ると、パワーシャベルなどの重機も入って、まるで大規模な土木工事が行われているかのようだ。「Kitadani」はそこで行われた調査研究の様子が詳細に描かれている。掘削した場所もよかったし、研究調査の人にも恵まれた。さらにそれを支えた福井県も大したものだ。
恐竜に関した本はいろいろあるが、「Kitadani」は本当に勉強になる1冊だと思った。通販でも買えるという。
大賑わいのミュージアムショップで急いで買い物を済ませ、博物館をあとにした。前回にも書いたが、また、改めて来ようと思う。

【Kitadani 恐竜時代の福井を解き明かす】

【福井駅と勝山駅を結ぶえちぜん鉄道の電車】
(取材:2025年12月29日)
福井県立恐竜博物館メモ
〒911-8601 福井県勝山市村岡町寺尾51-11
電話 0779ー88ー0001
休館日 第2・第4水曜日および12月31日から1月1日
午前9時から午後5時まで(入場は午後4時半まで)
観覧料(事前購入が原則)
一般1000円 高・大学生800円 小・中学生500円
70歳以上500円
(利用のご案内による)