和歌山は恐竜王国になるかも知れない(和歌山県立自然博物館①)
【和歌山の恐竜の現在の精一杯の復元像】
「何だこの絵は?」
恐竜好きならこの絵を見て、困惑してしまうかも知れない。和歌山県立自然博物館。半分ぐらいは水族館のような博物館だ。水族館部分を楽しんだあと、和歌山の自然を紹介する第2展示室に入ったとたんに目に飛び込んできたのが、この「恐竜」の絵だ。
和歌山県初の恐竜化石は2007年に、湯浅町から産出された。獣脚類の一種の歯の化石で、最大長は2・6センチ。ナイフのような形で、縁にギザギザがあることから肉食恐竜の歯であるとみられている。この歯1本を基に、精一杯の復元としてシルエットを作成したのが写真の絵だ。
肉食恐竜であり、全長が3~4メートルと推定されることを生かしている。説明板も「和歌山にも恐竜がいた!!」とあくまで謙虚だ。

【獣脚類の歯の化石】
2018年には同じ場所から、スピノサウルス類の歯の化石も見つかった。この博物館では、拡大鏡を使って見せている。いずれも転石からの発見で。追加標本の発見は難しかった。
しかし、2022年になって広川町の白木海岸の路頭から4点の恐竜化石などが産出された。当時の新聞記事によると、イグアノドン類の歯1点、スピノサウルス類の歯1点、獣脚類の歯2点とカメやサメなどその他の14点が見つかったという。有田市出身で北九州市立自然史・歴史博物館の御前(みさき)明洋学芸員が、ワニ類の皮骨板の化石を発見したことを縁に、両館と国立科学博物館の3者で調査を進めた成果だった。
現場では高密度に脊椎動物の化石が含まれる層準の存在が確認されているといい、今後、さらに多くの恐竜化石の発見が期待されている。こうした今も、新発見がされているかも知れないのだ。

【スピノサウルス類の歯の化石】
恐竜の化石が発見されているのはみな、湯浅層という約1億3000万年前、白亜紀前期の地層。その重要性を同館の展示では、強く訴えていた。
というのも、恐竜の化石がたくさん産出されている福井県勝山市や兵庫県丹波市などの地域は、中央構造線(九州東部から関東へと続く巨大な断層)の北側にある「内帯」にある。それに対して、湯浅層は中央構造線の南側にある「外帯」にあるからだ。白亜紀前期の日本は、まだ列島ではなく、大陸の縁にくっついていた。当時の日本は、内帯と外帯が数百㌔以上離れた位置にあり、生息していた恐竜も違う可能性がある、という。
今後の発見・調査が楽しみだ。
(取材:2026年3月10日)
和歌山県立自然博物館
〒642-0001 和歌山県海南市船尾370番の1
電話 073ー483ー1777
休館日
月曜日(祝日・振替休日の場合は次の平日)
年末年始(12月29日~1月3日)
午前9時半から午後5時まで(入館は午後4時半まで)
入館料金
大人 480円
高校生以下 無料
および
65歳以上 無料(年齢確認のできるものを提示する)
(利用案内による)