恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

驚きの徳島恐竜コレクション(徳島県立博物館①)

驚きの徳島恐竜コレクション(徳島県立博物館①)

【マラウィサウルスの全身骨格標本】

 徳島県立博物館の展示室に入って、最初のコーナーが「徳島恐竜コレクション」だ。大きな竜脚類の絵と共に、「マラウィサウルス」(アフリカ・マラウィ産、白亜紀前期)、「コンカベナトール」(スペイン、白亜紀前期)、「プロバクトロサウルス」(中国・内モンゴル自治区、白亜紀前期)の3頭の恐竜の全身骨格標本が堂々と並んでいる。
 その手前に並んでいるのが、徳島県内でこれまでに産出した恐竜の骨の数々だ。
 まず冒頭に並ぶのが、鳥脚類イグアノドン類の歯の化石だ。徳島県勝浦町の山中で1994年4月10日に、地質調査中の大学院生が発見した。白亜紀前期のもので、四国では初めての恐竜の化石だった。




【コンカベナトールの全身骨格標本】

 それからしばらく、恐竜の化石は発見されなかったが、2016年7月3日、22年ぶりに竜脚類ティタノサウルス形類の歯の化石が見つかった。博物館内の掲示などによれば、これを期に、同博物館では福井県立恐竜博物館などと協力してが研究チームを組織して、調査を行うようになった、という。

【プロバクトロサウルスの全身骨格標本】

 恐竜関係だけにしぼっても、その成果が素晴らしい。以下が同館のホームページで見た、その成果だ。
🔵2018年度 恐竜化石含有層(いわゆる「ボーンベッド」)を発見。緊急発掘調査では、「獣脚類の脛骨化石(約20センチ)」と「竜脚類の歯化石」を発見。化石愛好家によって発掘された化石1点が「獣脚類の歯化石」と判明。
🔵2019年度 発掘調査で、肉食恐竜(獣脚類)の完全な歯化石を発見。
🔵2020年度 発掘調査で、獣脚類のものと推定される肢骨化石(約10センチ)と恐竜の骨質化した腱化石を発見。
🔵2021年度 化石愛好家の親子が化石を発見、鑑定の結果、竜脚類の歯の化石と判明。
🔵2022年度 2021年に行った発掘調査でイグアノドン類の尾椎化石、イグアノドン類の歯化石を発見したことを日本古生物学会で発表。化石発掘体験で、鳥脚類の歯化石。発掘ボランティア研修で、獣脚類(肉食恐竜)の歯化石、発掘調査で、竜脚類の歯2点、恐竜の骨質化した腱化石1点を発見。
🔵2023年度 発掘調査で、獣脚類の歯化石2点、竜脚類の歯化石1点を発見。
🔵2024年度 発掘調査で、イグアノドン類の歯化石1点、竜脚類の歯化石2点、獣脚類の歯化石1点などを発見。
🔵2025年度 発掘調査で、イグアノドン類の歯化石1点、竜脚類の歯化石1点を発見。
 これらの合計として、イグアノドン類の歯化石は4点。竜脚類の歯化石は14点、獣脚類の歯化石は6点、となっている。
 まさに恐竜王国徳島といっても過言ではない。

【イグアノドン類の歯の化石】

【ティタノサウルス形類の歯の化石】

 ただ、種がはっきりするような発見はこれまでのところはない。だから代わりに、比較的近い種類の恐竜の全身骨格標本が並んでいるのだろう。
 これがいつかは、徳島県産の恐竜の全身骨格に代わるのかも知れない。それを期待するし、そうなればもう一度、ここに来たいと思う。

     (取材:2026年4月7日)

徳島県立博物館

〒770-8070 徳島県徳島市八万町向寺山 文化の森総合公園内
電話 088ー668ー3636
休館日 
月曜日(祝日または振替休日のときはその翌日)
年末年始(12月29日~1月4日)
午前9時半から午後5時まで
常設展観覧料
一般     400円
高校・大学生 200円
小・中学生  100円。
土曜・日曜・祝日・長期休業日の高校生以下の観覧料は無料
65歳以上   無料(証明できるものを提示する)

              (利用案内による)