実はトイレの化石だった「コダイアマモ」(徳島県立博物館⑥)
【「シファクティヌス」の頭骨】
徳島県立博物館はまだまだ見るものが多い。展示の仕方が上手なのか、もともと多くの化石を所蔵しているのか、どちらかは分からないが、いくつかを拾ってみた。
迫力ある姿を見せていたのが、「シファクティヌス(Xiphactinus audax) 」の頭骨。神奈川県立生命の星・地球博物館では、入り口のところに全身骨格が飾られていた白亜紀の魚だ。

【クジラ類の骨格標本が並ぶ】
化石ではないが、クジラ類の骨格も並んでいた。クロミンククジラ、イチョウハクジラ、カズハゴンドウ、ハナゴンドウと立体的に並ぶ姿が興味深い。

【「パラプゾシア」】
世界最大のアンモナイトという題で展示されていたのが、「パラプゾシア」。直径が約1・8メートルある。殻の入り口付近が一部欠損していることから、もし完全な状態であれば、直径1・8メートルをはるかに超えていたと思われる。白亜紀後期のもので、ドイツ・ヴェストファーレンで産出した。

【「コダイアマモ」の化石】
ロビーにも展示室にも飾られていたのが、「コダイアマモ」。鳴門市で出土した。植物のような形をしており、1931年にはアマモ類の先祖の化石として報告されたという。2016年になって、千葉大学と同博物館との共同研究でよって、この化石は生物の巣穴に排泄物(うんち)を押し込めたものの化石であると判明した。巣穴を作った生きものは正体不明だ。

【貝殻に開いた綺麗な穴の謎とは】
「新世代の貝類によく見られるきれいな穴のなぞ」の説明も興味深かった。この穴は、巻き貝の1グループであるタマガイが捕食のために開けたものだという。現在の浜辺でもよく見られるが、中生代以前の化石ではほとんどないという。

【香川県さぬき市産出のモササウルス類の歯の化石】
さりげなく置かれていたのが、香川県さぬき市で産出した「モササウルス類」の歯。白亜紀後期のものだ。四国での恐竜の化石は、徳島県以外ではやはりさぬき市で産出されているようだが、その点には触れられていなかった。
化石産地もいろいろと紹介していた。例えば国内では、、岐阜県大垣市の金生山(きんしょうざん)を紹介していた。古生代ペルム紀の石灰岩が露出している。古生代末の生物や環境を知る上で重要な場所としている。
海外では、中国。遼寧省の熱河(ねっか)層群を紹介していた。白亜紀前期の地層で、保存状態のよい化石が残されたという。羽毛の痕跡が残された恐竜や鳥の化石が見つかっている。熱河というと、戦前の日本の国際連盟脱退につながった「熱河作戦」でその名を覚えたが、太古にはそんなこともあったのだ。
徳島県立博物館については書き出すときりがない。明石海峡大橋と鳴門海峡大橋を使えば、徳島は思っているよりずっと近い、また、来たいと強く思った。
(取材:2026年4月7日)
徳島県立博物館
〒770-8070 徳島県徳島市八万町向寺山 文化の森総合公園内
電話 088ー668ー3636
休館日
月曜日(祝日または振替休日のときはその翌日)
年末年始(12月29日~1月4日)
午前9時半から午後5時まで
常設展観覧料
一般 400円
高校・大学生 200円
小・中学生 100円。
土曜・日曜・祝日・長期休業日の高校生以下の観覧料は無料
65歳以上 無料(証明できるものを提示する)
(利用案内による)