恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

「淡路」の名をもつアンモナイト(兵庫県立人と自然の博物館②)

「淡路」の名をもつアンモナイト(兵庫県立人と自然の博物館②)

【タンバティタニスのシルエットと産状骨格標本】

 「ヤマトサウルス・イザナギィ(Yamatosaurus izanagii)」のほかに、兵庫県立人と自然の博物館では、兵庫県丹波市で産出した恐竜として、「タンバティタニス・アミキティアエ(Tambatitanis amicitiae)」の胴体と尾のシルエットと、産状骨格標本などを展示している。この恐竜は約1億1000万年前の白亜紀前期の、竜脚類ティタノサウルス形類で、体長は約15メートルと推定されている。

【タンバティタニスの記載論文】

 同博物館ならではの展示が、「タンバティタニス」の学名を発表した記載論文だ。閲覧用となっており、だれでも実際に読むことができるようになっていた。

【ササヤマグノームスの骨の化石(ホロタイプ)】

【ヒプノヴェナトルの骨の化石】

 兵庫県丹波篠山市から産出した恐竜としては「ササヤマグノームス・サエグサイ」と「ヒプノヴェナトル・マツバラエトオオエオルム」が紹介されていた。ともに約1億1000万年前の白亜紀前期のもので、前者は角竜類ネオケラトプス類で体長約80センチ、後者は獣脚類トロオドン科で体長約110センチと推定されている。

【パキディスカス・アワジエンシス】

 「ヤマトサウルス」を産出した、和泉(いずみ)層群という地層はなかなか興味深い地層だ。
 展示説明によれば、和歌山県から愛媛県松山市付近までの東西約300キロ南北約20キロの範囲に分布する地層で、兵庫県では淡路島の南部に分布している。
 淡路島に分布する和泉層群は白亜紀後期に、海底で堆積した地層だ。海で暮らしていた生物の化石が多数発見される一方で、恐竜の発見はなかなか難しい。「ヤマトサウルス」の場合は、死骸が海に流れ込んで堆積したものと考えられている。


 一方で、保存状態の良いアンモナイトの化石が数多く産出することは研究者の間ではよく知られているという。
 展示では、世界で初めて淡路島で発見された3種が紹介されていた。一つ目が「パキディスカス・アワジエンシス」。正常巻アンモナイトで、1980年代の造成工事で大量に発見された。1985年に現在の南あわじ市産の標本を元に、新種として記載された。学名は「淡路産の暑い円盤」を意味する。

【ディディモセラス・アワジエンセ】

 「ディディモセラス・アワジエンセ」は、殻がソフトクリームのように塔状に巻いたあと、垂れ下がるようにほどけてU字形を描く異常巻アンモナイト。現在の南あわじ市産の標本を元に新種として記載された。学名は「淡路産の双子の角」の意味だ。
 さらに「プラビトセラス・シグモイダーレ」という異常巻アンモナイトも、やはり南あわじ市産の標本を元に新属新種として記載された。

【モササウルス科の一種の脊椎や首長竜類の歯など和泉層群産出の様々な化石】

【ニッポンハコエビの化石】

【アワジスナモグリの化石】

 このほか、和泉層群産出の化石として、モササウルス類の背骨、首長竜類の歯、「ニッポンハコエビ」、「アワジスナモグリ」などの化石が並んでいた。

(取材:2026年4月8日)

兵庫県立人と自然の博物館

〒669-1546 兵庫県三田市弥生が丘6丁目
電話 079ー559ー2001
休館日 
月曜日(祝休日の場合はその翌日)
年末年始
冬期メンテナンス休館(1月中旬~2月上旬の予定)
午前10時から午後5時まで(入館は午後4時半まで)
観覧料
大人     200円
大学生    150円
70歳以上  100円
高校生以下   無料

              (館内のご案内による)