恐竜王国ニッポンをゆく〜化石と大地の記録〜

丹波竜のおかげで残った村の小さな発電所(丹波竜の里公園③)

丹波竜のおかげで残った村の小さな発電所(丹波竜の里公園③)

【旧上久下村営上滝発電所記念館】

 丹波竜すなわち「タンバティタニス・アミキティアエ」の発見地のすぐ脇にあるのが、旧上久下(かみくげ)村営上滝発電所記念館だ。美しい赤煉瓦づくりの建物だ。どうしてこんな建物がここにあったのだろう。


 説明板によれば、当時、村一帯がランプ生活だった1920年(大正9年)12月に着工、1922年(大正11年)6月に竣工した。総工事費は当時のお金で10万9800円だった。1923年(大正12年)1月8日から送電を開始した。しかし、電気事業の統合令により、1943年(昭和18年)に関西配電株式会社に統合された。その後、関西電力に引き継がれ、1963年(昭和38年)に廃止になった。

【発電所記念館から見た丹波竜の産出地】

 館内にいた案内の方の説明では、廃止になった後は、屋根もやぶれ、せっかくの建物がぼろぼろになっていたという。それが2006年になって、ほんのすぐ近くで丹波竜の化石が発見されたことで、この発電所も注目されるようになったという。テレビの恐竜取材のヘリコプターが上空を舞うときに、この赤煉瓦の建物がとても目立ったという。国の登録有形文化財になったこともあり、丹波市が保存工事を行い、2010年に記念館として改めてスタートした。
 館内では発電所についての説明や、完成を祝った「発電所祝い歌」が放映されていた。

【発電所記念館の内部】

 やはり、恐竜についての関心が多いからだろう、この館内にも、丹波竜についての一通りの説明と、「恐竜が歩いた大地」との題で地域の地層についての説明板があった。また、レプリカではあるが、丹波竜の骨の化石として、尾椎、血道弓、最初に発見された肋骨などが並んでいる。まさに、小さな丹波竜の博物館になっている。


 丹波市から発見された新属・新種の化石として、丹波竜と恐竜の卵の化石の「ヒメウーリサス・ムラカミイ」、カエル類の化石として、「ヒョウゴバトラクス・ワダイ」をこれまでに紹介してきたが、ここではその3種以外に、カエル類として「タンババトラクス・カワズ」を紹介、2016年に発表され、「ヒョウゴバトラクス」とともに、国内初の完全な骨格であったと説明している。論文発表したのは兵庫県立人と自然の博物館の研究員ら。中生代全体としてカエル類化石を新属新種として記載、学名をつけることは国内初の快挙だったとしている。


 また、「モロハサウルス・カミタキエンシス」も2020年に新属新種として発表された。やはり同博物館による発表で、モンスターサウリア類(ドクトカゲ類の仲間)で最古になるという。種名の「カミタキ」は化石が発見された場所の地名「上滝」に由来する。

【丹波竜の尾椎】

【丹波竜の血道弓】

【丹波竜の尾椎】

【最初に発見された丹波竜の肋骨】

【発電所記念館】

(取材:2026年4月9日)

たんば竜の里公園

兵庫県丹波市山南町上滝1913-1
電話 丹波市恐竜課 0795ー77ー1887
無休
入場無料

丹波市旧上久下村営上滝発電所記念館

兵庫県丹波市山南町上滝字八ヶ坪1312-2
休館日 月・火曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
開館時間 午前10時~午後4時
無料

    (丹波地域恐竜化石 フィールドミュージアムの案内による)